旬の味
いつもの年より梅の花が半月も早く咲いた。桜はまだ蕾が固い。普通の年だと梅に続いてすぐに桜が咲くが、温暖化で暖地なみになったかと思う間もなく梅が満開のうちに桜が満開になった▼「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」(唐・劉希夷)かと思ったが、それは詩人の感覚か。この節は違う。農民としては「年年歳歳花同じからず」と言いたい。半月も早く花が咲いてどうして「年年歳歳花相似たり」といえるだろうか。寄るとさわるとみな、「遅霜で梅の花がやられないか?」「この夏の陽気が心配だ」と言う▼「豊作だからといって、収穫を目前に青刈りするのはしのびないから、その分を減反に上乗せしよう」と去年農協はもっともらしく説明した。だが、今年は始めから上から上乗せをしてきた。農水省や農協中央は「年々歳々、気候は同じ」と思い、小泉首相は「年々歳々人相似たり」と思っているのだろうか▼農民としては“武部農水相の辞任”と“小泉首相の退陣”で「歳歳年年人同じからず」と春をうたいたい思いである。 (節)
(新聞「農民」2002.4.15付)
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[2002年4月]
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