“青年が切り開くあすの食と農”シンポジウム 三人のパネラーの発言要旨
小さいころからプレッシャーを酪農家 小川一弥専業農家に長男として生まれ、農業を継ぐというプレッシャーのなかで育った。農業は嫌いではなかったが、悩みながら進学した大学で自治会運動に出会い、卒業後、農民連の専従に。農民運動のなかで生き生きと農業をする農家を見て、実家の酪農を継ぐことを決意。就農六年目のいま、体を使う仕事の面白さと大変さを実感している。BSE問題では、農家にツケをまわす無責任な政府に怒りでいっぱいだ。とくに老廃牛の処理は深刻。たたかって変えていきたい。
トマト苗の匂いに感動した奈良県 高砂樹史わらび座で十年間、舞台俳優をしていたが、食べ物から農業に関心をもつようになり、島根県柿木村で農業研修をした後、去年の夏、奈良産直センターに就職した。舞台で地方周りをしていたころ、公演の受入れを頼みに訪れたトマト農家で、なにげなく「いい所ですね」と言ったところ、非常に怒られた。信頼回復のために作業を手伝いに毎朝四時にハウスに通うなかで、苗自体がトマトの匂いがすることを知って、とても感動した。新規就農を模索したが、難関は“農業ができる家”を借りること。農地は借りられても、家を貸す人はごく少ない。新規就農対策に空き家の開放を入れてほしい。
産直組織で働くなかで…千葉県 石橋 正農業は大嫌いで、料理人をしたり八百屋で働いたこともある。多古旬の味産直センターに就職し、消費者と交流したり、青年部を立ち上げたりするなかで農業を見直すようになり就農した。ところが農産物が安くて、親父に「お前には悪いが、外で働いてきてくれ」と言われている。今は半分農業、半分県連の専従として働いている。将来は農家民宿やレストランをやりたい。昨年、イタリアのスローフードツアーに参加したが、発想を変えれば農業はもっと楽しくできると思う。
(新聞「農民」2002.4.15付)
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[2002年4月]
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