「農民」記事データベース20020408-534-07

趣味の農機整備

青木 敬典


第6回 点火装置とガバナ

エンジン回転を保つガバナの再調整

 点火装置は、プラグに火花を飛ばすために高圧電流を発生するもので、コイルと点火ユニットから構成されています。

 これらは電子部品ですので、調整とか修理は出来ません。昔のエンジンはポイントを研磨すればなんとかなりましたが、今はイカレたら部品交換となります。

 プラグテスターで火が飛ばない場合は、点火装置のコイルか点火ユニットの故障です。この場合、まず点火ユニットを他のエンジンから拝借してきて交換して付けてみます。これで火が飛べば点火ユニットがイカレていたことになりますが、そうでなければコイルがイカレていることになります。また最近は、点火ユニットがコイルに内蔵されているものがあり、これは部品交換となります。

 これらの部品は高価で、いつ壊れるか診断が難しいので厄介です。

 ガバナはエンジンの回転を一定に保つ調速装置で、急に負荷がかかってエンジンの回転が落ちても、これのおかげで回転が上がり一定に保たれます。ガバナはエンジン回転数に応じて、キャブレターのスロットルバルブの開閉を調節しているので、キャブレターをはずすときなどにガバナレバーを外してしまうと、再調整が必要になります。

 調整の仕方は、(1)アクセルレバーを全開にする、(2)ガバナシャフトのロックナットを緩め、ガバナシャフトを全開方向に一杯に回したままロックナットを締め付ける(図)〈図はありません〉

 機種によってはロックナットが逆ネジになっているものがあるので注意してください。

 ガバナは、農業機械のようにエンジンの回転を一定に保って作業するには有利な装置ですが、機械のコントロールが効かなくなったときなどは、エンジンが止まらず大事故を起こす一因になります。次回はベアリングとオイルシールについて考えます。

(農の会会員)

(新聞「農民」2002.4.8付)
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2002年4月

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