「農民」記事データベース20020401-533-16

産直ボックス丸ごと使って

HAPPY料理

料理研究家 吉田文子さん


 今回は私の地元、いつも使わせていただいている東京の産直BOXです。農家の方にお会いしたこともあり、車で通る時、畑をたびたび見ているので、とても身近に感じられます。野菜を料理したり食べたりする時、カラシ菜畑の内田さんのおばあちゃん元気かな?など思い浮かべると、野菜がいっそうおいしく、いとおしい気持ちになります。産直BOXの野菜がおいしいのには、野菜そのものがおいしいのはもちろんですが、作った人のまごころが感じられるのでいっそう美味しいのだと思います。

 届いた日に中身をざっと見て、しおれやすいものから使っていきます。


●1日目

*メカジキのカラシ菜巻き*

 カラシ菜はボールに入れ、ひたひたまで熱湯を注ぎ2〜3分置いた後、冷水にとってザルにあげる。葉先の柔らかい部分のみちぎって、広げておく(その他の部分は薄味の浅漬けにしておき、3日目に使う。4cmくらいに切り、200gに対してみりん・醤油各小さじ1強を加えビニール袋などに入れて冷蔵庫へ)。一口大に切ったメカジキに塩こしょうをして下味をつけ、小麦粉をつけてオリーブ油又はサラダ油でフライパン焼きにする。焼きあがったらカラシ菜2〜3枚で巻く。
にんじんの塩茹でを添える。食べる前に電子レンジで1分ほど、全体を温めて食べるとおいしい。

*ねぎのメンタイコマヨネーズがけ*

 しおれやすい葉先のみを先に使い、残りは冷蔵庫に。

●2日目

*ほうれん草と茹で卵のグラタン*

●3日目

*カラシ菜の3色混ぜごはん*

 一日目に漬けておいたカラシ菜を小口切りにする(200g)。卵2個を溶き、砂糖小さじ2、塩ひとつまみを入れ、中華鍋に油大さじ1を熱した中でいり卵を作る。火を止めてごはん(温かいもの)600g、カラシ菜、市販のサケフレーク60g(または焼き塩鮭1枚をほぐしたもの)を混ぜる。(写真のようにこのごはんのみをメインに食べる時、分量は2人前)

●4日目

*ネギのシーフードマリネ*

 ねぎ200gは5cmのブツ切りにし、縦に2つに切る。にんじん50gは短冊切り。鍋にオリーブ油又はサラダ油大さじ1、にんにく大1かけ薄切り、赤とうがらしを入れて、中火でにんにくを焦さないようにしばらく炒める。水60cc、にんじん、ねぎの順に入れぴったり蓋をして3分火にかけ、さっと火を通し、広げて冷ます。市販の茹で蛍イカは目を取る。海老100gは酒少々と塩で火を通し、殻をむく。ボールに酢大さじ2、塩小さじ1/2、レモン汁1/2個分を入れ、蛍イカと海老を入れておく。盛り付けの直前にねぎなどを入れてあえる。トマト、レモンを添える。(ねぎの美しい緑色を生かすため、なるべく食べる直前に酢とあえる)

●5日目

*野菜たっぷりさつま揚げ*

(ごぼう・にんじん・たまねぎをたっぷり使う)

●6日目

*だまこ餅入りオニオングラタンスープ*

●7日目

*ごぼうと牛肉の土鍋ごはん*


 今週の東京の野菜ボックスは、玉ねぎ、ほうれん草、からし菜、葉ねぎ、人参、ゴボウそして小笠原母島産のトマトです。

 からし菜は名の通りからしの味がします。昨年の十月下旬に蒔きました。昨年暮れから食べられるようになり、葉物として出荷してきましたが、このところ暖かくなり、よく伸びてトウ立ちが始まり、一番美味しい時期になりました。季節にあった作物なので農薬なしで育てました。

 からし菜は、以前は八百屋さんの店頭でも見られましたが、比較的傷みが早いために、流通が変わり産地が遠くなるに従い店頭からは消えていきました。東京特産の「のらぼう」とともに前日収穫、翌日配達が確実にできる東京産直センターの野菜ボックスならではの野菜です。

 小笠原産のトマトは今が旬。小笠原諸島は竹芝桟橋から約千キロ南にありますが東京都です。南北に千キロ以上ある県は他にありません。小笠原ではトマトは秋から春にかけて作られます。日照時間が長いため、本土の促成栽培のトマトにはない濃厚な句の味がします。甘くて美味しいトマトです。また、夏の暑さのため自然に太陽熱で土壌消毒ができてしまうため、土壌消毒をやったことがないのが自慢です。

 小笠原母島で、農業を島の産業にしようと、古くからの農家と最近就農した農家が協力して「産直の会」を作りました。

(東京産直センター 小澤)

(新聞「農民」2002.4.1付)
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2002年4月

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