2001年12月
■2001年12月24日(第521号)
- 狂牛病対策法求め集会
- 「国の責任は重大! 畜産農家や焼肉店などの損害を補償しろ」――民主党、自由党、日本共産党、社民党の野党4党は、12月4日、国会近くの憲政記念館で「狂牛病対策緊急措置法制定決起集会」を開きました。同法案は、牛肉の消費低迷や価格下落で、畜産農家、流通・小売業者などが受けている損失分を、国が助成することなどが柱。野党四党は、来年一月の通常国会冒頭に提出を予定しており、早期の成立をめざしています。農業分野での野党共闘は、これが初めて。
- 二〇〇一グリーンウエーブ 集結行動&収穫祭
- 小泉首相のセーフガードつぶし、狂牛病対策の遅れでついに畜産農民の自殺や焼肉店の経営危機、さらに6年連続の米価引き下げ――こういう事態を打開しようと、食健連の2001グリーンウエーブ「食と農業、地域経済を守る全国いっせい共同行動」が全国で取り組まれてきました。セーフガード即時発動を求める決議を新たに600を超える自治体で採択させたり、宣伝、学習、シンポジウム、収穫祭、グリーンウエーブの多彩な運動を総結集して12月4日、農水省前での要請を皮切りに農水・厚労省交渉、首相への署名提出、集結集会、中央収穫祭(望年会)が行われました。
- 米の“構造改革政策”決定(下)
- 農水省の当初案では、減反面積の目標を達成しても作況が良ければ減産効果がないため、数量配分に切り換えることになっていました。ねらいは2つです。
- 農民連「米対策部」設置
- 「国民的な運動で、日本の米を守ろう」――農民連は12月3日、都内で全国会議を開き、米対策部を立ち上げました。米対策部は、農水省・自民党・全中の三位一体による米つぶし政策(米政策の抜本見直し)が進められようとしているなかで、農民連、新婦人、中小卸・小売業者を中心に「米を守る」国民的運動と、米流通のネットワークをさらに発展させようというもの。専門性が高い米の流通・産直についての情報の収集と発信などを行っていくことが確認されました。
- 日本農業を守る運動全力で
- 富山食健連は、11月23日、第8回総会を開き、WTO協定改定の世論を広げ、日本農業を守る運動に全力でとりくむことを確認しました。
- 「保存料・合成着色料」排除のカラクリは?
- 大手コンビニチェーンのセブン―イレブンは、今年10月から、弁当・惣菜・調理パンなど150品目から「保存料・合成着色料の排除」を始めました。しかし、早とちりは禁物。今回セブン―イレブンが排除したのは、20種類以上(用途別分類)もある食品添加物のうち、「保存料」と「合成着色料」の二種類だけ。実際に弁当の表示をとくと眺めてみると、あいかわらず添加物はどっさり。このカラクリはどうなっているのでしょう?
- セーフガード発動求める署名に共感
- 紀ノ川農協主催の紀ノ川収穫祭が11月23〜25日と12月1、2日に開かれ、紀ノ川農協女性部がセーフガード署名を集めました。会場の「ふうの丘・ファーマーズマーケット紀ノ川」の入り口に陣取り、署名を呼びかけると驚くほどの反応。25日の1日だけで380筆が集まり、国産を望んでいる人、和歌山の農業を大切に思っている人がこんなにもいることを肌で感じて、みんな元気になりました。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- 11月15日、タイ政府は今シーズンの米市場介入計画をスタートさせました。農民からの強い米価要求もあって、モミ一トンあたり市場価格より1500バーツ(4200円)高い価格で、二カ月間に限定して、総量870万トン買い上げるという計画です。
- 拝啓 武部農林水産大臣様
- 暫定セーフガード期限が切れた11月9日以降、ネギや生シイタケ、畳表の輸入が急増しています。この事実は、財務省が毎週発表する「モニター結果」からもまったく明らかです。
- 4年目迎えた収穫祭
- “大豆トラストを満喫しよう!”――今年で4年目を迎えた千葉県東総農民センターの大豆トラスト畑収穫祭が12月1〜2日、八日市場市の生産者、寺本幸一さんの畑を中心に行われました。
- 赤旗まつり・産直通りでの販売を終えて
- 産直通りには2本の道が横切っていて、そこにさしかかるたびに人の流れがそれてしまいます。ミカンを売る和歌山のテントは産直通りの一番奥。どれだけの人が和歌山のテントまでたどりついてくれるのかという不安が第一印象でした。
- 冬の風物詩
- 蜂屋柿をつるす/白鳥飛来
■2001年12月10・17日(第520号)
- “農村の味に歓声”
- 「生産者とお米屋さん、消費者との共同をさらに広げよう!」――3年目を迎えた農民連ほくほくネットと西東京米研の収穫祭が11月25日、盛大に行われました。農民連からは東北・北海道と関東、北陸ブロックに所属する各県の農家が、自慢の農産物と加工品を持ち込み、芋煮や手打ちソバ、餅つきのほか、お米の講習会も行いました。
- 三番町に怒りの叫び
- 食料・農業・農村政策審議会の主要食糧分科会が11月27日、東京・九段南の農水省三番町分庁舎で開かれ、政府が諮問した2002年産米買い入れ価格の6年連続引き下げなどを諮問どおり答申しました。
- 米の“構造改革政策”決定(上)
- 政府・自民党は11月22日、米の“構造改革政策”を決め、27日に開かれた食料・農業・農村政策審議会主要食糧分科会(旧米価審議会)に報告しました。
- セーフガード本発動求めて
- 「セーフガードの本格発動を」「中小農家の切り捨て反対」――秋田県十文字町の第2回農業危機突破町民大会が11月10日に開かれました。主催は、町議会産業常任委員会、農業委員会、農業共済組合、農協、土地改良区、農業士会、認定農業者協議会、それに十文字町農民組合という幅広い団体で構成している同実行委員会と十文字町。
- “市場を守ることは共通の願い”
- 青果小売商(八百屋)の幹部の方との、懇談が11月9日、東京・北足立市場で行われました。
- いまこそ農民を励まし、国民と連帯してたたかい、農業・農山村の明日を切り開こう/I/II/III/IV/V/VI
- 経営破綻や離農、中小企業の倒産やリストラによる兼業農民の失業、農業者年金や医療制度の改悪による受給額の切り下げと負担増など、農業と農民経営、暮らしの困難はますます深まっていす。
- ソフトボール大会開催100名参加
- 青年部員を拡大し、会員同士の親睦を深めよう――福島県農民連青年部は11月11日、ソフトボール大会を行いました。青年部員はもとより、小学生や昔青年部員だった人まで、幅広い年齢層に呼びかけて開催。応援や交流会の準備も含めると、参加者は100人を超え、県下では最大の交流会になりました。
- ナタネ油を作って交流して
- 手作りにこだわり50本搾りました/ナタネ生産者の交流
- 17文字に読む農の心
- 日本一のネギ産地である埼玉県深谷市。ネギ栽培農家は、中国からの輸入で大きな打撃を受け、セーフガードをただちに本発動し、安心して作れるよう要求しています。
- 読者からのお便り
- 冷害と低米価でわが家も赤字/植木鉢のイネスズメのご馳走
- 演劇/こまつ座井上作品「連鎖街のひとびと」
- こまつ座は井上ひさしの作品「連鎖街のひとびと」を上演します。昨年6月に初演、再演の声にこたえて実現したものです。井上ひさしは太平洋戦争のころを舞台にした戯曲をかきつづけ、「闇に咲く花」などの昭和庶民伝三部作をはじめ、「父と暮せば」「紙屋町さくらホテル」「夢の裂け目」など、戦中・戦後の庶民の姿を描いて感動的な作品を誕生させています。
■2001年12月3日(第519号)
- 「うわ。やば」青年の食生活は大丈夫?
- 1週間のうち1回でも朝食を食べないという青年は2人に1人、コンビニやファーストフードで昼食を済ませる青年は3人に1人――千葉県農民連青年部が中心になり9月中旬にかけて、千葉県内で行った「食農アンケート」ではこんな結果が出てきました。アンケートでわかった青年の食生活について、編集部で取材しました。
- 大量の輸入で、産地の打撃必至
- 財務省は、11月21日、暫定セーフガードの期限が切れてから1週間(11月9〜16日)の、ネギ、生シイタケ、畳表(イグサ)の輸入量を公表。わずか1週間で、暫定期間中の1カ月分を上回る大量の輸入が行われたことが明らかになりました。
- 福田官房長官地元事務所に要請
- セーフガード本発動つぶしに躍起になっている福田官房長官。同長官の地元・群馬県高崎市の事務所に11月16日、群馬農民連をはじめ関東ブロックの代表14人が訪れ、即時本発動するよう申し入れました。秘書の木田雅久氏が応対、参加者は次々に実情を訴えました。
- 税金相談員学校3カ所で開催
- 「標準廃止」を前に、仲間がたくさん増えても記帳の仕方を一人ひとり援助して、申告書を自分で書き上げるまで対応できるようにしようと、茨城・県南農民組合では、4回連続の税金相談員学校を3カ所で開催し、現在28人いる税金相談員の倍加をめざしています。
- 年末ひかえ深刻 早急に抜本対策を
- 先月18日から始まった全頭検査で、厚生労働省は21日、国内2例目となる狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)に感染した乳牛が1頭見つかった、と発表。見つかったのは北海道宗谷支庁猿払村の牧場から出荷された1996年4月4日生まれの5歳7カ月のホルスタインの雌。まだ、症状は出ていませんでした。
- 最高裁、国の団結権侵害を断罪
- 私たち全税関労働組合は10月25日、27年間たたかい続けてきた「税関賃金差別裁判」で、財務省(旧大蔵省)・関税局の違法行為を断罪した歴史的な最高裁判決を勝ちとりました。
- 農民連の光ネットがお米屋さんと収穫祭
- 「お百姓さんがお店にやってくる――第2回お米屋さんの大収穫祭」が、昨年に引き続き、11月17日、東京・大田区六郷地域の4店のお米屋さんで開かれました。
- 「健康祭り」で奮闘
- 「パーン!」と耳をつんざくような大爆発音。3千人が恐怖のなか振り返ると、煙の中に見えるのはなんとポン菓子――奈良県農民連青年部は11月11日、奈良市にある岡谷病院主催の「健康祭り」に出店し、ポン菓子と農産物の販売を行いました。
- 安い農産物の向こう側/タイの農村はいま
- 通常の年であればすでに乾期入りして、米の収穫が始まっているのですが、今年のタイは半月遅れの11月中旬に、ようやく雨期明け宣言がありました。しかし、チャオプラヤ川の上流域の洪水はこれから中部平原に流れつき、まだしばらくは稲刈り作業に着手できない状況です。
- 穴――納税猶予――
- 千葉県船橋市在住の武力也さん(詩人会議会員)から寄せられた詩を紹介します。
- そばを風に立てる
- 写真はこの頃、荻原徳雄さんが篩(ふるい)でそばを風に立てている情景である。そばの実だけ下に落ちて、軽いごみは左の方に風に舞っていく(最終的には唐箕で精選をする)。
- 読者からのお便り
- 食べたい野菜/農業は不滅です
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