BSE 国内2頭目年末ひかえ深刻 早急に抜本対策を
先月十八日から始まった全頭検査で、厚生労働省は二十一日、国内二例目となる狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)に感染した乳牛が一頭見つかった、と発表。見つかったのは北海道宗谷支庁猿払村の牧場から出荷された一九九六年四月四日生まれの五歳七カ月のホルスタインの雌。まだ、症状は出ていませんでした。 九月に千葉で発見された一頭目は猿払村から百八十キロ離れた東部の佐呂間町で一九九六年三月二十六日生まれの五歳八カ月。二頭は九日しか出生日が違いません。今回BSEとされた牛を出荷した酪農家は「牧草が中心で肉骨粉は使っていない」と言明しているといいます。 一九九六年といえば、日本が英国からの肉骨粉を禁止した年。それまで輸入していたので、この二頭が幼いときに与えられた離乳食に肉骨粉が混入されていたのではないか、と見る関係者もいます。猿払村は、北海道の北限で牧草地が多い人口三千人に牛八千頭という酪農の村です。 北海道農民連の野呂事務局長は「現地は深刻ですよ。年越しを控えて牛を売る農家が多くなるのに、売れるのかどうか心配です。それに肥育や肉用牛にはある無利子融資は酪農にはありません。ヌレ子を含む価格低落への補填が必要です。乳価も下がりはしないか。安全宣言以降、牛の値段も回復しつつあったのに全くピンチです。これからもBSEが出ることを想定した抜本的な対策を早急に作り、農家や関連業界への救済策、全頭検査以前の食肉廃棄による、消費者への安全な食肉供給の施策を」と話しています。
(新聞「農民」2001.12.3付)
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[2001年12月]
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