■2001年8月20・27日（第506号）

“青刈りやめろ”

農水省は8月6日、農協中央を抱き込んで稲の子実前刈取り（青刈り）を強行することを決めました。外米輸入と自主米入札の値幅制限撤廃などで米価暴落を野放しにしてきた農水省が、青刈りを強制するのは二重の犯罪です。

財務省が厳重検査を指示

財務省は、8月9日、JR東日本などの輸入弁当について、検査を厳重に実施せよという指示を出しました。

レタスの価格暴落／長野からのレポート

高原野菜の本場、信州南佐久郡川上村。「この村で30度を超す気温がこんなに続くなんて経験したことがない」。農民連会員の由井幸憲さん（73）はこう話してくれました。そのうえ7月末から8月にかけて雨が降らず、干ばつの心配もあります。村では今、特産のレタスの採り入れと秋レタスの植え付けに余念がありません。標高1300メートルの高原のはるか彼方まで波打つ白いビニールマルチのレタス畑ではタンクに入れた水を散水する光景が。

外米弁当輸入、青刈り減反、学校給食問題で抗議・要請

「アメリカ産弁当の脱法輸入を許しておいて、青刈りせよとは何ごとか」――全国食健連と農民連は、8月8日、（1）JR東日本グループによるアメリカ産弁当の輸入を中止させること、（2）青刈り減反の強制はやめること、（3）学校給食用米・牛乳の補助を復活し、国産、地場の農畜産物を供給することの3つの柱で財務省、農水省、文部科学省と交渉しました。

みかん手渡し労働者を激励

工作機械メーカーの（株）池貝（本社・神奈川県川崎市）が今年2月末、突如「民事再生法」申し立てを強行、事実上倒産しました。これは小泉内閣が進めようとしている不良債権処理の先駆けをなすもの。JMIU（全日本情報機器産業労働組合）池貝支部は、解雇反対、工場再開、組合との話し合いを求めてたたかっています。

靖国神社参拝を強行

「小泉首相の靖国参拝は侵略戦争を肯定する姿勢を国内外に示すものだ」――日本国民はもとよりアジア諸国、世界は小泉首相の靖国参拝に強い疑念を抱き、反対や批判の声をあげてきました。小泉首相は8月13日、靖国神社への公式参拝を強行。怒りの声がわきあがっています。

分析センターだより／県産小麦で給食パンの朗報

千葉県の方にも分析センターにも朗報。今年10月から県産小麦30％のロールパンが学校給食に使用されることになったそうです。それが食品分析センターの分析結果をもとに実現できたと聞けば、小踊りがとまりません。いやはやこんなにも早く目に見える成果が現れるとは…。

シンポなど充実の内容に

'01農民連全国研究・交流集会（8月28〜30日、東京・浅草）が近づいてきました。「輸入を減らし、地域農業を守る運動をどうやって進めようか」「地域に根を張った足腰の強い農民連を建設するために、全国の進んだ経験を吸収したい」――こんな思いに応えるために、今年の研究・交流集会は、様々な工夫も取り入れて、さらに内容を充実。その魅力を紹介します。

安い農産物の向こう側／タイの農村はいま

1960年代から70年代にかけて、タイは世界有数のトウモロコシ輸出国でした。ベトナム戦争を背景にした入植政策と高速道路の整備と、日本における畜産振興が拡大要因となりました。タイのトウモロコシは、鶏卵の黄身を濃くするため養鶏農家から歓迎されていました。

東京・調布市／花づくり農家

「見てください。カトレヤは今年の異常な暑さで、花も大きくならず、3割ほどしか咲かなかった」――東京・調布市で神代（じんだい）洋蘭園を経営している秋間市郎さん（59歳）、喜代子さん（55歳）夫妻。住宅や団地が立ち並ぶ中で花作りに取り組む専業農家。市郎さんは東京農民連副会長、喜代子さんは女性部で活躍しています。

「立倭武多（たちねぷた）」

霊峰岩木山の麓、青森県五所川原市は津軽平野の田園都市。この五所川原の夏の夜を彩るのが高さ20メートルを超える「立倭武多」（たちねぷた）。勇壮な武者などの姿は、稲作をじゃまする悪鬼を退治するといわれています。

■2001年8月13日（第505号）

出来秋の豊作を願って

“農業つぶし許さんぞ”／義民　佐倉宗吾の志継いで

参議院選挙の結果について

一、今回の参議院選挙は、異常な小泉旋風のなかで自民党が65議席を獲得し、単独で過半数を超える結果となりました。痛みを押しつける「構造改革」推進の大合唱のなかで、自民党と正面から対決し、大銀行・大企業を応援する政治から、国民の暮らしと農民・中小企業の経営を応援する政治に切りかえることを主張した日本共産党が後退したことは残念なことです。

わたしの子供はどうなる「教育改悪三法」とは

「子どもがすこやかに成長してほしい」――誰もが願っていることです。ところが、小泉内閣は教育基本法の改悪をたくらみ、その前段として先の国会で3つの法律を改悪しました。

県税事務所が謝る

福岡県の「みのう農民組合」は8月1日、福岡県久留米県税事務所員と組合事務所で話し合い、造園業者に対する個人事業税の訪問調査に抗議するとともに、「勝手な訪問は申し訳ない」と謝らせました。

平和憲法ふみにじる

日本が行った侵略戦争について、事実にもとづく歴史認識を持つことは、世界とアジア諸国の人々と連帯し、核も飢餓もない世界をつくるうえで重要な課題です。ところが、「新しい歴史教科書」（扶桑社）は、韓国などのアジア諸国に対して日本が行った侵略戦争の歴史を覆い隠し、正当化し、賛美するというとんでもないもの。

日本の孤立を招く『新しい歴史教科書』

「新しい歴史教科書をつくる会」主導でつくられた扶桑社の『新しい歴史教科書』について、私たちは検定申請本（白表紙）を入手し、その内容が歴史の事実を歪曲し、日本国憲法を否定し、アジア諸民族蔑視、日本の侵略戦争をアジア解放の戦争であったとする自国中心主義のとうてい中学生用の教科書として容認できないものであると批判を重ねてきました。憲法の理念に反するだけでなく、近隣諸国との国際公約にも反するものであるにもかかわらず、文部科学省は、4月3日に教科用図書検定調査審議会の審議を経て、一部を修正させただけで本質を変えないで、検定合格としました。

スナック菓子に混入

国内では安全性が確認されていない未承認の遺伝子組み換えジャガイモが、スナック菓子から検出され、メーカーが回収する騒ぎが相次いで起きています。5月にはハウス食品の「オーザック」、6月にはカルビーの「じゃがりこ」、ブルボンの「ポテルカ」。検出されたのは、いずれもモンサント社が開発した殺虫性およびウイルス抵抗性の遺伝子組み換えジャガイモ「ニューリーフ・プラス」です。

害虫への執念

生食用トウモロコシの栽培手引きには穂（雄穂）が出たらすぐ殺虫剤エルサン1000倍液を10日間隔で2回撒け、アワノメイガは一度穂に食い込んだらもう打つ手がない――と指導しています。

生産・流通こぼれ話／長野県産レタス品薄と言うが産地廃棄による失敗は明らか

●北海道・長野県産のレタスが、農水省の指定野菜緊急出荷調整事業にもとづき、7月後半、大量に産地廃棄された。長野県産はなんと1500トン、箱にすると15万箱にもなる。

平和への強い願い（手記）

私の戦争体験と戦後の歩み／基地があるかぎり、事件起る

お元気ですか　小林節夫さんを訪ねて

福島・小高町農業を守る会は、7月7〜8日、長野県佐久市に研修旅行に行き、農民連・前代表常任委員の小林節夫さんと1年ぶりの再会をはたしました。

演劇／劇団俳小「ロルカ・オリーヴの木と泉の間に」

ガルシア・ロルカというスペインの詩人で劇作家を知っていますか。

信州のおばあちゃんと“茶のみ”

「六月から七月中旬になると杏がたくさん実るから、ぜひおいで」と、島田斐子（あやこ）おばあちゃん（78）に誘われて、杏の花の美しい景色でも有名な更埴市に行ってきました。

■2001年8月6日（第504号）

世界の政治・経済に影響を与える非同盟運動

日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会の秋庭稔男理事長や農民連の佐々木健三会長ら三十六氏がよびかけ人になって、「非同盟運動と、この運動の発展を考える国際シンポジウム」が９月15〜16日に開かれます。

生産緑地の追加申請したい

東京都町田市農業委員会は生産緑地の追加申請に関する意向調査を行い、53戸の農家から205筆の農地、約8ヘクタールの希望が出されていることがわかりました。これは7月2日、「町田の農業を考える会」の代表と日本共産党の斉藤勇市議（農民連会員）が同市農業委員会の小峰清二会長、市農業振興課の大沢敏秀課長に面会した際に明らかになったもの。

農業も高温・豪雨・干ばつの影響大　政府は「京都議定書」の早期批准を

世界の、日本の気候が変化している。昨年の東海豪雨のような今まで見られなかった異常気象で日本も大きな被害を受けた。冬に氷が張らなくなった湖、積雪がなくなった山、生息地が北に移動する昆虫や珊瑚、実をつけにくくなった樹木など、温暖化の兆候は日本でもあちこちで見ることができる。

マクドナルド株でボロ儲け

小泉内閣が発足して3カ月、「構造改革の痛みを先取り」して大暴落している株式市場で、7月26日、日本最大のハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」が株式を店頭公開しました。今年最大規模、大注目されたジャスダック上場初値は4700円。日本マクドナルド株全体の時価総額は6250億円！

地元野菜と台所つなぐ午後セリが好評

秋田市中央卸売市場の卸売業者、丸果秋田県青果が5月からスタートさせた「午後競売（セリ）」が話題を呼んでいます。

顔を葉から守る…

スーパー・スイートコーン“きぼう”はわき目（ぶんげつ）を欠くな――と言われたのでそのままにしておきました。堆肥や肥料が十分だったのか次男坊がついたり、分げつに実（房）がついたりして、うねまを通ると顔がもろこしの葉で擦られます。

分析センターだより／細かな鶏肉もトリ逃がさず

オーベントーの重さを調べてみました。

敬愛する井野隆一兄を偲ぶ

さる7月1日、本紙（7月16日）にも既報のとおり、井野隆一顧問が急逝されました。

井野先生を悼む

井野隆一先生が亡くなられた――そんなに重い病気にかかっておられたとは夢にも思っていませんでした。農民懇（農民運動の全国センターを考える懇談会）が発足してからは常任世話人として大変なご協力を頂きました。

浅間山を望む大地で麦の脱穀作業風景

浅間山がはっきり見える梅雨明けの日。荻原徳雄さんは朝早くから麦刈りです。