全国食健連・農民連外米弁当輸入、青刈り減反、学校給食問題で抗議・要請政府交渉「アメリカ産弁当の脱法輸入を許しておいて、青刈りせよとは何ごとか」――全国食健連と農民連は、八月八日、(1)JR東日本グループによるアメリカ産弁当の輸入を中止させること、(2)青刈り減反の強制はやめること、(3)学校給食用米・牛乳の補助を復活し、国産、地場の農畜産物を供給することの三つの柱で財務省、農水省、文部科学省と交渉しました。
「脱法」の輸入弁当を再調査せよ財務、農水JR東日本グループ会社のアメリカ産輸入弁当は、「米飯調製品」として一キログラム当たり三百四十一円の高い関税がかかるべきものです。ところが、肉・魚の含有量 が二割を超えれば、「肉・魚調製品」として安い関税(六%〜二一・三%)で輸入できる仕組みを悪用して脱法的に輸入しているのです。農民連食品分析センターが肉・魚の量を検査してみると(別表)、驚いたことに十一点の弁当のうち六点は肉・魚が二〇%以下でした。これは明らかに違反品であり、米飯調製品として高い関税を追加徴収すべきものです。
代表 青刈りするとか、米価暴落のなかで、違反脱税の輸入弁当は許せない。十一点のうち六点が、肉、魚が二〇%以下であった。鶏肉弁当では五点中四点までが二〇%以下で違反だ。 財務 二割以下が事実であれば、関税分類を変えることもありうる。 代表 われわれは事実を示している。すぐ再調査をするべきだ。税関ではどんな検査をしたのか。 財務 輸入時に検査を行っているが、その内容や結果は公表できない。 代表 なぜ公表できないのか。 財務 輸入者の利益を守らなければならない。利害関係者にしか公表しない。 代表 われわれこそ利害関係者だ。いま川崎の倉庫に積んである輸入弁当を再検査し、調査せよ。 財務 それはできない。 代表 われわれの検査結果にもとづいて税関の検査結果がおかしいと告発しているのだ。財務省として再調査し、追加徴税するのが当然だ。再調査など、われわれの要求をどう処理するのか今週中に回答せよ。 財務 上司と相談し、要望の点について回答したい。
農水省の担当官は「財務省に確かめたところ、問題はないとの回答」と答弁。 代表は「他人事のような財務省任せの態度は無責任すぎる。米を主管する農水省の責任はどうなんだ。独自に肉の割合を検査するとか、財務省のやっている検査内容を公開させたり、再調査を要求すべきではないか。米飯調製品として差額関税を追徴すべきだ。いますぐ弁当の輸入中止を指導せよ」と追及しました。
学校給食用米・牛乳の補助復活を財務、農水、文部科学食健連代表は、三省庁に対し、「学校給食の米や牛乳への補助を政府が打ち切った結果、給食の質が落ち、父母の負担増で給食費が払えない家庭が増えている。ぜひ米・牛乳本体への補助復活を」と強く求めました。これに対し、財務省主計局の係長は「学校給食については農水省、文部科学省からの予算要求がなければ検討できないので、そちらに言ってください」と開き直り、代表団が「補助金カットは閣議決定で決められ、予算要求すらできなかったんじゃないか。その閣議決定は現在は拘束力がないと考えていいのか」と詰め寄ると、不遜な態度でダンマリ。 農水省は「米飯給食は重要な施策で、炊飯設備や食器への補助など引き続き推進したい。米本体への補助は、閣議決定で廃止された経緯があるので、復活は難しい」と回答。 代表団は「財務省に、米本体への補助を復活させる立場で予算要求してほしい」「地場産農産物と学校給食の橋渡しをするような情報を農水省から提供してほしい」と要請しました。 文部科学省では、代表団は米・牛乳への補助とあわせて、学校給食の民営化の中止、栄養士・調理師の増員、地場農畜産物の利用推進も要請しました。同省は「米飯給食も地場産農産物の活用も大いに進めていきたい。しかし学校給食を運営する実施者(市町村)によっては米飯給食への補助が肩代わりできない場合もある」と、まるで他人事のよう。民営化についても「コストがかからず財政支出が減るメリットがある。民営化するなら十分配慮するよう指導している」と言い、「いずれにしても最終判断は市町村がする」と回答。 代表団からは「それでは子どもを守り育てる立場を放棄している」「学校給食は単なる弁当じゃない。教育そのものだ。経済効率でなく、子どもたち本位の施策をとってほしい」「私は栄養士だが、現場からは生産者の顔が見えない。生産者が見えることで国民経済が学べ、食べる意味を考えるような給食を食べさせたい。栄養士、自治体労働者、生産者が一緒に来た意義を重く受け止めてほしい」などの声が上がりました。
(新聞「農民」2001.8.20・27付)
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[2001年8月]
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