演劇スペインの自然を愛した詩人の生涯劇団俳小「ロルカ・オリーヴの木と泉の間に」
ガルシア・ロルカというスペインの詩人で劇作家を知っていますか。 一八九八年、スペイン南部のアンダルシア地方グラナダの富裕な農家に生まれ、グラナダ大学在学中から詩や戯曲を書き、ニューヨークに留学。帰国してからは共和国政府のもとで劇団「バラッカ」を率いて農村地帯を巡回しました。スペイン内戦の一九三六年八月、グラナダでファシストに捕らえられ銃殺されました。三十八歳でした。戯曲では悲劇三部作「血の婚礼」「イェマル」「ベルナルダ・アルバの家」、詩集では『ジプシー歌集』などがあります。 そのロルカの生涯を舞台化したのが「ロルカ・オリーヴの木と泉の間に」です。劇団俳小が九月に東京で上演します。平山一夫の作・演出・美術。平山は東宝系の舞台「細雪」や「新平家物語」などを菊田一夫と共同演出してきました。この作品は一九九三年に初演、九七年に再演されていますが、今回、俳小でははじめての上演となります。 一人の日本人青年が旅の途中でイザベルという老婦人と出会います。彼女は亡き兄フェディリコ(ロルカ)のことを語りはじめます。イザベルは自由について、平和について、静かに語ります。そのなかから名もない民衆たちにまじって浮かびあがるロルカの生涯…。 劇団代表の斎藤真さんは「ロルカはファシズムに殺された純粋な詩人です。この詩人は、当時さげすまれていたジプシーたちに愛情をそそいでいます。そして、グラナダというスペインの自然を愛した詩人です。そのロルカの生きざまに共感してつくられたのがこの芝居です。本当の芝居のわかる人と本当の芝居をつくりたいと思ってとりくんでいます。本当の芝居とは、本当に生きている人間や歴史を大事にすることだと思う」と語ります。出演は斎藤真、荒川ヒロ子、野水左記子ほか。 (鈴木太郎)
9月1日〜2日、東京・大塚・南大塚ホール、9月6日〜9日、東京・両国・シアターX(カイ)。連絡先=劇団俳小・電話03(3987)1787 (新聞「農民」2001.8.13付)
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[2001年8月]
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