生産・流通こぼれ話長野県産レタス品薄と言うが産地廃棄による失敗は明らか
●北海道・長野県産のレタスが、農水省の指定野菜緊急出荷調整事業にもとづき、七月後半、大量に産地廃棄された。長野県産はなんと一五〇〇トン、箱にすると十五万箱にもなる。 ●数日後、業界紙(八月一日付)には「長野県産レタス品薄。干ばつ響き、今月いっぱい続く」と。どうなっているのだろうか?市場のレタス担当者に聞いてみた。「七月の後半からはいつも価格は上昇する時期なので、今回の廃棄処分は行う必要はなかった。明らかに失敗だった」 ●前回の“こぼれ話”で「生産・豊作を誇らしげに喜べる政治を」と書いたが、なんと酷いことをするのだろう。毎日こつこつと、あの猛暑の中でも心を込めて作ったレタスを廃棄処分にするとは。 ●「百万本のバラ」という歌がある。貧しい絵描きの物語である。町の広場は真っ赤なバラで埋め尽くされ、真っ赤なバラの海になった…。 ●二百四十万個のレタス。畑いっぱいの緑の海!しかし、残骸の海!農民の怒りと涙の海は決して消えることはないだろう。 (農民連生産流通対策部 佐藤 龍雄)
(新聞「農民」2001.8.13付)
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[2001年8月]
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