「農民」記事データベース20010813-505-02

参議院選挙の結果について

二〇〇一年八月三日 農民運動全国連合会


 一、今回の参議院選挙は、異常な小泉旋風のなかで自民党が六十五議席を獲得し、単独で過半数を超える結果となりました。痛みを押しつける「構造改革」推進の大合唱のなかで、自民党と正面から対決し、大銀行・大企業を応援する政治から、国民の暮らしと農民・中小企業の経営を応援する政治に切りかえることを主張した日本共産党が後退したことは残念なことです。

 マスコミは、自民党総裁選を皮切りに異常な小泉もちあげの報道をし、「小泉改革」に対する幻想をふりまきました。

 しかし、自民党政治の行き詰まりは深刻さを増しており、今回の自民党圧勝は、自民党衰退の歴史的流れのなかで咲いたあだ花にすぎません。

 二、農民連は、「セーフガード暫定発動をかちとった力で、農業・農村を復権させよう」「自民党農政を根っこから変えよう」を前面に打ち出し、三百二十万農家すべてに新聞「農民」大判号外を届けるよう奮闘し百二十万部余りを活用し、総対話運動と懇談会の開催をすすめました。

 このなかで、「小泉改革」に幻想を抱く農民も、切実な要求で一致し、痛みを押しつける「構造改革」ではなく、セーフガードの発動や外米の削減、予算の組み替えで価格保障予算をヨーロッパなみに増やすことなど、家族農業経営を発展させるという農民連の訴えに大きな共感と期待が寄せられました。

 三、失業と倒産、福祉の負担増、消費税の増税など国民に激痛を押しつけ、日本経済を破局においやる「小泉改革」は、景気の後退、失業の増大など破綻が始まっています。景気悪化で農産物の価格は低下し、不良債権の最終処理によって中小企業に働く圧倒的多数の兼業農民のリストラ、農協からの借金取り立ても進み始めています。加えて「構造改革農業版」によって、二百七十万農家を切り捨て、選ばれる四十万の経営体も、輸入を野放しにし実効ある価格保障をとらない自民党の農政のもとでは、展望を見出すことができません。

 四、農民と自民党政治の矛盾はいよいよ激化し、要求は切実さを増し、農民連への期待と自民党政治を根っこから変えるエネルギーが大きく高まるでしょう。たたかいはこれからです。

 選挙の結果をみれば、農村を変えるだけの規模と速度に対応する農民連の力量が決定的に不足していることをあらためて痛感せざるを得ません。埼玉県連は、「参院選の悔しさを農民連の拡大で晴らそう」と、選挙後二日間で新聞「農民」六月残二百部目標を達成し、秋の大運動で年間残目標をやりきることをいち早く呼びかけています。

 参院選で広げた多くの農民とのつながりを生かし、要求運動とともに、新聞「農民」と会員の拡大に打って出て、八月二十八日から開催される全国研究・交流集会で元気な活動を学び合おうではありませんか。

(新聞「農民」2001.8.13付)
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2001年8月

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