2006年2月
■2006年2月27日(第721号)
- 作る農家ふえりゃあ 地域も活気づくょ
- 傾斜地や山林に囲まれた中山間地域で、特産物を生かしたまちおこしが注目されています。中山間地特有の地形を利用した農業に力を入れている埼玉県西部、秩父地域の小鹿野(おがの)町。学校給食、直売所、産直など多様な販路の開拓で、作る農家を増やし、地域を活性化しようとがんばっています。
- 税金運動への参加を広く呼びかけ
会員、新聞「農民」読者ふやそう
- いよいよ2月16日から05年分の確定申告がスタートしました。
- 市町村ごとの単組を中心に
“地域づくり”新たな飛躍を
- 「20周年を節目にさらなる飛躍を」――。福島・浜通り農業を守る会は2月12日、20周年記念祝賀会を開催。合わせて、同日開かれた総会で、市町村ごとにある支部を単組にし、広域単組だった「守る会」を単組の連合体である「浜通り農民連」にすることを決めました。
- 高齢者に重い負担 医療改悪
- 小泉内閣は2月10日、高齢者に「痛み」=自己負担増を押し付ける医療制度「改革」法案を国会に提出しました。この「改革」法案は、70歳以上の高齢者の窓口負担を2割から3割に引き上げること、長期入院する高齢者の食費、居住費を自己負担させること、75歳以上のすべての高齢者の年金から保険料を天引きすることなど、情け容赦のない“お年寄り泣かせ”の内容です。
- BSEファイル
- へたり牛(歩行困難牛)が食用にまわり、危険部位の除去もいいかげん――こんなアメリカの食肉処理の実態が、農務省監査局(OIG)の報告書で明らかになりました。
- 農のこころ
- 一畝の菜を渡りゆく冬の月
- この人/待つだけでなく攻めの営業を
- 「米鮮みたけ」は、農民連の準産直米を扱う横浜市青葉区の米屋さんです。準産直米を扱うきっかけは、日本米穀小売商業組合連合会(日米連)の紹介です。店主の佐々倉守佑さん(58)は、「農民連の準産直米を仕入れるようになってお客が安定してきた」と言います。
- 憲法改悪は絶対許せない(下)
- 国連憲章は、原爆が投下される前に作られました。一方、日本国憲法は、原爆の悲惨さをわかったうえで作られました。国連憲章をよりいっそう発展させ、戦争をやらないというだけでなく、軍隊を持たない、交戦権も否定する――ここまではっきりさせたのは、最初の被爆国としてつくられた憲法だからです。
- 異常気象と食糧生産―農業のはなし―》7《
- 水稲は移植から収穫まで水を張った水田で成長します。それゆえ、水田の温度は稲作にとって重要な環境要因です。浅い水田の温度を決めるのは、気温、日射、風速などの気象要素と漏水量 、灌(かん)水量、用水温などです。
- 獣被害から村を守るには…
- 京都農民連と兵庫農民連が共催して、「獣害から村を守るシンポジウム」が2月5日、京都府福知山市で開かれ、雪の中を120人が参加しました。農水省の近畿農政局や市町の担当者など、行政関係者も多く見られました。
- 里山の自然よみがえらせた
- 千葉県多古町の「桜宮自然公園」は、荒れ果てた谷津田を町民が力を合わせて見事によみがえらせた公園です。春は桜が咲きほこり、夏はカエルの鳴き声が谷を抜け、秋には黄金色に実った稲穂の上をトンボが飛び交う里山の自然。地元の小学生たちが野外学習で訪れ、元気な声を響かせます。
- 産地発 梅クッキング
- 「食べものはくすり」の著者、橋本紀代子さんによれば、梅干しは、「江戸時代に旅をする人が流行性の病気にかからないように持ち歩いたのが、全国に普及したきっかけ」だそうです。
- 旬の味
- 昔に比べて最近の茶は味が落ちたという嘆きを耳にすることがある。機械化が進み、栽培技術の研究・向上にあわせ、多種多様な肥料や農薬も手に入るのに、どうして味が落ちているのか
■2006年2月20日(第720号)
- ものづくり大好きッ
- 「女性はものをつくることが好き」「ものをつくってこそ農民」――。2月3〜4日、都内で開かれた農民連女性部の第17回総会は、全国から105人の女性農業者と専従者が集まり、厳しい情勢にもめげず、笑いあり、感動ありの元気がでる総会になりました。
- ビア・カンペシーナの連帯メッセージ
- ビア・カンペシーナから送られた女性部第17回総会への連帯のメッセージを紹介します。ユン・グエン・スンさんは、韓国女性農民連合(KWPA)代表で、ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域の女性代表もつとめています。男性代表は、インドネシアのヘンリー・サラギさん。
- “憲法改悪の露払い立法”国民投票法案阻止へ学習
- 自民・公明・民主の各政党が、憲法改悪のための国民投票法案を今国会で成立させようとねらっています。こうしたもとで、憲法改悪反対共同センターは2日、各団体の青年部が中心になって、「憲法改悪のための国民投票法案・学習決起集会」を都内で開き、100人以上が参加しました。
- 免税軽油151万8千890円/税金学習会やった 会員ふやした
- 岩手県八幡平市の西根町農民組合は、毎年「免税軽油」に取り組んでいますが、今年も期限の1月末までに、無事申請を終えました。
- “秋田の米はうまいョ”
- 農民連ふるさとネットワークに加盟する「ほくほく秋田」は、横浜市野毛にある中華料理店「新雅」に毎月60キロの精米ともち米を納品して2年目になります。「ほくほく秋田」の須磨チヤ子さんら5人が、2月6日、農民連女性部の総会出席を機に訪問・懇談しました。
- 農のこころ
- 凍田にも土の温もり青菜引く
- 憲法改悪は絶対許せない(上)
- 全国委員会(1月14日)では、元参議院議員(日本共産党)の吉岡吉典さんが、「戦争は違法・犯罪とされている時代に、戦争ができる国をめざす憲法改悪は絶対に許せない」と題して講演しました。その大要を紹介します。
- 本の紹介/桜井豊著「日本国憲法と農業政策」
- 憲法改悪が声高になってきている時、「農業を守るために憲法を学ぼう」と訴えかけるタイムリーな本が出版されました。著者は、北海道の酪農学園大学で長らく農業政策学や酪農政策論を担当してきた桜井豊さん(現、同大学名誉教授)です。
- 異常気象と食糧生産―農業のはなし― 》6《
- 天明、天保の大昔から北、東日本は何回となく、夏の異常低温により食料生産はひどい被害を受けてきました。夏の異常低温の農業被害――冷害を和らげるため、多くの人が工夫を重ねてきました。それらは科学的改良を経てすぐれた農業技術として、現在広く用いられています。つぎにそれらについて説明します。
- 評価高いトラスト運動
- 生産者と消費者が手を結び、安全な国産大豆の生産を高める大豆畑トラスト運動全国交流集会が2月3日、茨城県つくば市で開かれました。主催は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン。今年で8回目です。
- タイ農村かけある記(3)
- バンコクから東に約350キロ離れたコラートは、アメリカがベトナム戦争の時、呼びやすいように付けた地名で、正式にはナコンラシャシマ。田中鴻志(こうし)さんは、元福岡県農協中央会の職員で、1984年からJICA(国際協力機構)の専門家として農協振興プロジェクトにかかわりました。5年間のプロジェクトが終わった時、田中さんはタイに残ることを決意。有機野菜や自然を取り入れた養鶏・養豚を中心に「コン・フジ・ファーム」を経営しています。
- 旬の味
- 輸入再開からわずか1カ月でBSEの危険部位の混入が見つかったアメリカ産牛肉。再び輸入中止になったのは当然だが、この間に575トンが国内で流通されたという。近所のスーパーでも国産牛肉の4分の1の価格で売られている
■2006年2月13日(第719号)
- 2000万円募金を呼びかけます/“GM食品の表示に疑惑”テレビ番組が紹介
- 国民の食の安全を守って、日々活躍している農民連食品分析センターは、5月に設立10周年を迎えます。残留農薬をより厳しく規制するポジティブリスト制が5月から施行されるのに伴い、新たな分析機器の導入が求められています。農民連は、分析センター10周年を記念して、2千万円の募金を呼びかけています。石黒昌孝所長に聞きました。
- 危ない米国産牛肉 解禁するな/中川農水相の辞任を要求する
- 「危険なアメリカ産牛肉は入れるな」「中川農相は辞任しろ」――輸入牛肉から危険部位の背骨が見つかり、アメリカのBSE対策のずさんさと食の安全をないがしろにした日本政府の無責任さがますます明らかになるなか、全国食健連は2月1日、東京・有楽町の繁華街で宣伝行動をおこないました。静岡産のミカンを配り、禁輸措置の継続などを求める署名にとりくみ、冷たい雨が降るなかでしたが1時間足らずで74人分の署名が集まりました。
- 大きくはねあがる税負担/茨城県連消費税の申告書の書き方など学ぶ
- 税金申告を前に、各地で申告に向けた学習会や相談会が始まっています。定率減税の縮小・廃止や各種控除の廃止・見直し、消費税免税額の引き下げなど、小泉「大増税攻勢」が吹き荒れるなか、これに対する怒りがますます高まっています。農民組合大阪府連の田中豊書記長は全国委員会で、農家の実例を示し、大増税を告発しました。その内容を紹介します。
- 農のこころ
- 雪折れの林檎樹を漕ぐ腰つ丈
- 農民連の活動に感激しました
- 「Agri‐Project(アグリ・プロジェクト)in九州」(略してAPiQ)は、食や農に関心のある福岡の大学生が運営する団体です。代表の吉田真貴子さんらが、1月23日、福岡・みのう農民組合の事務所を訪れました。
- 今日の農業教育とは何か/平和憲法守れ・増税反対
- 農業教育に携わる教師やそのOBでつくる全国農業教育研究会(全農研)は、1月6日から3日間にわたって第35回全国大会を兵庫・淡路島の津名町で開き、全国から60人余りが参加しました。
- 異常気象と食糧生産 》5《 ―農業のはなし―
- 暖温帯を起源とする稲は、縄文晩期か弥生初期に日本列島に渡来したようです。その高い栄養と多収量 、そして連作可能性によって全国に広がり、国民の主食となり長く経済を支えてきました。
- 消費者と結びついた農業を/おにぎり食べながら親しく交流
- 農民連に団体加盟している農の会は1月28、29の両日、都内で2006年定例研究会を行い、農家、消費者らが参加して、討論や交流を深めました。
- タイ農村かけある記(2)
- 東都生協は、「安全でおいしいバナナを食べたい」という組合員の願いから、タヤン農協と協力し1991年から農薬を散布せず栽培したバナナの供給を続けています。
- 産地発 梅クッキング
- 梅の調味料「梅びしお」は、作り置きしておくととても便利です。1キロの梅干しから約6百グラム作れ、半年から1年は日持ちします。
- 旬の味
- 雪国に暮らして70年、少々の雪には驚かないが、今年はまいった。「想定外」である。山間の独り暮らしの老人がまた、雪の中から死んで発見された。過疎地の豪雪はまさに恐怖だ
■2006年2月6日(第718号)
- アメリカ BSE対策は“機能不全”/農水、厚労省に反省の姿勢なし
- アメリカ産牛肉の背骨混入事件は、同国のBSE対策のずさんさをまざまざと見せつけました。しかしアメリカは、これを「特殊なケース」(ペン農務次官)で片付け、早期の輸入再開をねらっています。小泉首相も、「なぜ責められるのかわからない」などと開き直り、昨年12月に輸入を再開した責任には口をつぐんだまま。「危険なアメリカ産牛肉は輸入するな」の声をさらに強め、小泉内閣を追いつめる必要があります。
- 「税金」の取り組み幅広く早く
- 広島国税局長が昨年11月、「税を知る週間」にあたって地元のラジオ番組に出演し、今年の税制「改正」の特徴を話しました。「一つは、消費税の免税額がこれまでの3千万円から1千万円になり、申告義務者が4倍の8万人になること。二つには、年金控除が変わり、申告しなければならない年金受給者が11万人に増える」というものです。
- 農家経営ピンチ
- 冬の寒さで野菜の価格が高騰しています。寒波の緩みで、落ち着きを取り戻しつつありますが、平年より1.5倍近くの高値に。加えて原油高が農家を直撃しています。市場を通してみる野菜高騰の原因は? 原油高による影響は?
- 農のこころ
- 如月の光もみ合う蜜柑畑
- “施設園芸”に財政支援を/最低限の生活保障を
- 鹿児島県農民連は1月18日、伊藤祐一郎知事にたいし、「原油高騰による施設園芸農家への財政的な支援を求める陳情書」を提出し、交渉を行いました。園山一則会長、丸野武人事務局長ら15人が参加。重油の値上がりによる施設園芸農家の深刻な状況を伝えました。
- 異常気象と食糧生産 》4《 ―農業のはなし―
- 1993年の春先、晴れた日の早朝の空は、紫を帯びた不気味な深い赤に染まり、なにか不吉なことが起きるのではという感を抱かせました。この年は、夏のなかった年と呼べるほどに日本全体が低温・少日射に襲われ、全国の水稲作況は74となり、約250万トンの米不足が発生して台所を直撃しました。
- WTO香港行動に参加して
- 日本の食の安全と安定供給を守るという立場で行動に参加しましたが、労働者がもっと自ら要求を掲げてWTOに対抗しなければと感じました。
- 農民連に団体加盟した日販連
- 日本販売農業協同組合連合会(日販連)=会長・横山金也下郷農協組合長=は、このほど、農民連に団体加入しました。農民連がはじめて全国農協連を組織に迎えたという点で「画期的なこと」です。そこで、日販連の中塚敏春専務に、インタビューしました。
- “レパートリー増えたわ”
- 岩手県農民連の女性部は14、15の両日、例年にない大雪にスッポリと包まれた花巻市の自炊温泉宿に泊まり込んで加工交流会を開き、20人が参加しました。
- 旬の味
- 成田空港に到着したアメリカ産牛肉から背骨が見つかった。背骨はBSEの病原体が蓄積する危険な部位で、さすがに政府も輸入をストップせざるをえなかった
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