「農民」記事データベース20060220-720-01

農民連女性部第17回総会

ものづくり大好きッ

家族農業切り捨て農政にヒジテツ

 「女性はものをつくることが好き」「ものをつくってこそ農民」――。二月三〜四日、都内で開かれた農民連女性部の第十七回総会は、全国から百五人の女性農業者と専従者が集まり、厳しい情勢にもめげず、笑いあり、感動ありの元気がでる総会になりました。


自信と誇り
笑いと感動

 集落の話し合いに

 総会では、農民連の真嶋良孝副会長が「WTOの十年はもうたくさんだ!! 『品目横断的経営安定対策』と食糧主権、そして私たちの運動」と題して講演。国内では、価格支持をなくし、「担い手」以外の九割の家族経営農民を切り捨てる「品目横断経営安定対策」が推進されていること、国際的には、WTO体制のもとで関税の引き下げ、ダンピング輸出の増加などによって食糧主権と食の安全が脅かされていることを指摘。「集落の『合意』の名のもとに、農業を続けることができるかどうかが決まる事態。実際に農業を担っている女性がもっと集落の話し合いに参加し、発言していくことが大切。これからの運動に、女性の力がますます重要になる」と呼びかけました。

 「ものをつくるな」と言わんばかりに農民を生産からしめ出す農政のもとで、しっかり地に足をつけて「ものづくり」に励む農村の女性たち。「農家にとって、ものをつくって売ることが一番」(秋田県、佐々木冷子さん)、「昨年の日本母親大会では、持っていった自分の手作りみそがすべて売れた」(茨城県、坂田よてさん)と明るく語るお母ちゃんたちの笑顔はまさに悪政との対決軸。やがて悪政をふき飛ばす大きな力になると予感させます。

 千葉県の香取美乃さんは、朝市をともに取り組む友人二人を誘って参加。「女性はみなつくることに興味がある。販路がしっかりしていればやっていける」ときっぱり語ります。

 「農業を守ることは、食育など教育、平和を守ること、すべてにつながる。ものをつくる感動を忘れず、その感動をまわりに希望とともに伝えたい」と発言した新潟県の熊倉幸子さんの顔には、女性農業者の自信と誇りがあふれていました。

仲間迎え農業守る先頭に

 運動でも組織でも

 こうした女性たちの元気な輪をさらに広げ、もっと勉強し、運動でも、組織でも、その先頭に女性が立とうという決意がみなぎっていたのも、今回の特徴。茨城県から参加した酪農家の浅井富江さんは、無理な近代化、効率主義が押し付けられたために陥っている今日の苦難を告発し、「家族経営は本当に農業の基本。仲間を増やして守っていかなければ」と力を込めて発言しました。

 また、埼玉県の北部で米と小麦をつくる女性部副部長の中島仲子さんは「品目横断対策で価格支持がなくなれば、一俵九千円だった小麦が、肥料代にもならない二千三百円に。このままでは農家はつぶされてしまう」と発言。「がんばっているすべての農民を担い手として認めるよう求め、農業を守ることの大切さを地域で広めていく」と決意を語りました。

 香港行動参加者も

 昨年十二月のWTO香港行動の参加者からも多くの発言がありました。

 香港のデモ行進のときに着た法被(はっぴ)を着て「ダウン、ダウン、WTO!」と元気な声で登場した愛知の野田幸子さんは、「気持ちはグローバル、行動はローカルに」と香港で開かれた集会で自ら発言した言葉を紹介。会場から大きな拍手が起こりました。

 総会のまとめで高橋マス子・女性部長は「生産を続けることが最大の攻撃。それには仲間づくりが大切」と指摘。「税金の取り組み、加工、産直運動、国際連帯を通じて運動を広げていこう」と力強く訴えました。


ズラリ並んだ自慢の郷土料理大いに盛り上がった交流会

 総会一日目の交流会には、今年も高知の「ちらしずし」、愛媛の「ジャコ天」、岩手の「大根のべったら漬け」など数多くの郷土料理、手作り料理がそろいました。その数なんと百品。

 「甘煮ピーナッツ」「ごまあんのぼたもち」を持参したのは、千葉県から初参加の岩沢千恵子さん、石毛房子さん姉妹。「姉さんの作る落花生はほかと違う」と妹の石毛さん。岩沢さんは「大切なのは愛情を込めてつくること。若者に伝えていきたい」と言います。

 おいしい料理に舌鼓を打ちながら、「お国言葉で語る憲法九条」や民謡など、大いに盛り上がりました。

(新聞「農民」2006.2.20付)
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2006年2月

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