「農民」記事データベース20060206-718-09

旬の味


 成田空港に到着したアメリカ産牛肉から背骨が見つかった。背骨はBSEの病原体が蓄積する危険な部位で、さすがに政府も輸入をストップせざるをえなかった▼そもそもアメリカの牛肉の生産・流通・加工における安全体制については食品安全委員会でも最後まで評価が分かれた。しかし政府は、同委員会の答申を勝手に解釈して輸入解禁をゴリ押しした▼政府は今ごろになって「きちんと調査して原因究明してもらわなければ」と言っているが、専門家や生産者、消費者が口をそろえて「アメリカには安全・安心を担保する十分な検査も危険部位を除去する体制も整っていない」と言っていた声を聞いていれば、こうはならなかったはずだ▼耐震偽装問題やライブドアの事件を見ても、規制緩和と民間開放を推進する「構造改革」路線の破たんは明白だ。小泉首相には責任をとって任期を待たずに一日も早くやめてもらいたい▼それにしても危険部位を取り除かずに牛肉を食べているアメリカの消費者の健康は大丈夫だろうか。

(慎)

(新聞「農民」2006.2.6付)
ライン

2006年2月

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