原油高騰“施設園芸”に財政支援を鹿児島県に 県農民連が実情訴え交渉
鹿児島県農民連は一月十八日、伊藤祐一郎知事にたいし、「原油高騰による施設園芸農家への財政的な支援を求める陳情書」を提出し、交渉を行いました(写真〈写真はありません〉)。園山一則会長、丸野武人事務局長ら十五人が参加。重油の値上がりによる施設園芸農家の深刻な状況を伝えました。 鹿屋市吾平町のハウスでナスを三反作っている鳥丸隆雄さん(53)は「八十年ぶりの寒波で重油の消費量が、昨年の一・五倍になっている。その上、重油が一昨年一リットル当たり三十二円だったものが、昨年から値上がりし、現在は六十二円から六十五円に暴騰した。農家はこのダブルパンチで『油につぶされる。油に殺される』と話している。重油の値上げ分に一円でも二円でも助成してもらえないか」と切実に訴えました。 当初、県側の答えは「重油にたいする助成はできない」の一点張りでしたが、「こんなに農家が苦しんでいるときに、農家の暮らしと経営を守るべき農政部の幹部が、なぜ農家の深刻な要請に応えようとしないのか」との怒りの前に、県は「陳情書を知事に届け、みなさんの要望に応えられるように努力します」と答えました。
最低限の生活保障を実現へ連帯よびかけ 研究交流シンポ開く国民生活の最低限保障=ナショナル・ミニマムの実現をめざす研究交流シンポジウムが一月二十一日、都内で開かれ、百五十人以上が参加。労働者、高齢者、中小業者、農業などの分野で最低限の生活保障をどう実現すべきかを話し合いました。(写真〈写真はありません〉)パネリストの発言では、法政大学教授の増田正人さんが、先進国への富の集中と発展途上国の貧困の二極化、先進国内での労働の不安定化と低賃金化が進行している実態を紹介。前ILO駐日代表の堀内光子さんは、グローバル化が市場原理で進展するなかで、ディーセントワーク(まともな仕事)実現を訴えました。 慶応大学名誉教授の黒川俊雄さんはアメリカ主導のグローバル化が進む下で、国民生活を最低限保障するもう一つのグローバル化を国際連帯の力で切り開こうと呼びかけました。全労連調査局次長の伊藤圭一さんは、全国一律最賃制の重要性を強調しました。 会場からの発言で、農民連常任委員の斉藤敏之さんが、農業労働が人並みに評価される社会の実現を訴えました。ほかに、「最低保障年金、生活費非課税原則の確立を」(年金者組合)、「公共事業などの公契約にも最賃制の適用を」(東京春闘共闘)、「浅草の雷大行進で、ナショナル・ミニマムの要求行動を訴えた」(東部共同行動)などの意見が出されました。 閉会あいさつで、農民連の真嶋良孝副会長は、アメリカからの輸入牛肉に背骨が見つかった事例を「食のグローバル化のなかで現れた例だ」と指摘。先進国のルールを押し付けるWTOに反対する決意をのべました。
(新聞「農民」2006.2.6付)
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[2006年2月]
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