1999年12月
■1999年12月20・27日(合併号)(第432号)
- WTOに関する国際シンポ開催
- 大内力・東京大学名誉教授らのよびかけによるWTO協定改定運動の国際的な連帯を強める「WTOに関する国際シンポジウム」が、来年2月20〜21日、東京・高田馬場の「早稲田大学国際会議場」で開かれます。NGOや農民組織を迎えての国際シンポの開催は「食料・農業問題、そして環境問題の解決を願うすべての国民に大きな確信を与えてくれるもの」です。
- 全国食健連が報告集会
- 「NO! WTO 食料と農業を守れ!が世界の本流に」12月9日、全国食健連は、「全国一斉共同行動」・国際行動報告集会を開きました。WTO閣僚会議決裂から一週間足らず、興奮覚めやらぬ参加者は、シアトル、ローマ、韓国を訪問し、世界に広がるWTOノーの世論と運動を見聞してきた代表団の生々しい報告に熱心に耳を傾け、同時に発表された「WTOに関する国際シンポジウム」(別項)の成功を誓い合いました。
- 全米家族農業経営連合(NFFC)と農民運動全国連合会の共同声明
- 全米家族農業経営連合と農民連および食健連の代表は、WTO閣僚会議が開かれているシアトルで、現在の農業の状況を話し合うために初めて会談した。
- WTO閣僚会議を破綻に追い込んだ二つの力
- シアトルで開かれたWTO第三回閣僚会議は、今後の交渉について何の方向も示せずに決裂しました。
- 農地の固定資産税引き下げよ
- 固定資産税評価替えが三年に一度行われますが、来年はその年に当たります。それを前にして農民連の代表は十二月九日、自治大臣あてに「安心して農家が農業をやっていけるよう固定資産税の引き下げ等を求める要請書」を提出するとともに、同省税務局固定資産税課の山崎一樹理事官らと交渉しました。
- 農民連第12回大会決議案/1999年12月10日農民連常任委員会
- この10年間、農民連は、運動でも組織の強化でも、大きな前進をしてきました。農民や農業団体だけでなく、消費者や流通業者、自治体からも農民連への期待と共感は、ますます高まっています。
- 「トウキョウX」豚肉を産直に
- 「急増する輸入豚肉と差別化できる良食味の肉を」と、東京都畜産試験場で開発された「トウキョウX」豚。茨城県西農民センターは、養豚経営の苦境を何とかしようと、この豚肉の産直にとりくむ準備をすすめています。11月末には養豚農家ら10人が、都の畜産試験場を訪れ、開発担当者から話を聞きました。
- ハウスにも「農業用電力」を
- 岡山県連の代表六人は12月8日、中国電力岡山支店を訪れ、営業担当課長に対して、「農業用電力」をハウスや温室で使用する換気扇、暖房機、潅水用電力にも拡大するよう要望しました。
- 新聞「農民」わたしも読んでいます
- 各界からの期待の声を紹介します。
- この冬から野菜を市場に
- 福島・須賀川農民連と郡山農民連は、今年の冬から小松菜、ほうれん草、春菊の市場出荷を始めます。
- いま、梅枯れの危機に…
- 和歌山県の田辺市、南部町、南部川村、印南町、上富田町は、全国生産量の約半分を生産する梅の大産地ですが、十数年前から元気な梅の樹が突然衰弱して枯れていく症状(梅の“衰弱症”“立ち枯れ”“生育傷害”と呼ばれている)が現れ始めました。その原因は関西電力の火力発電所にあると、いま大きな運動が起きています。
- 食品分析センター募金者
- 1999年11月26日〜12月10日到着分
- 韓国見て歩る記
- 韓国の農民・農村の深刻さは日本以上です。韓国の面積はほぼ北海道に匹敵します。農家戸数は日本のほぼ半分、156万戸です。農業だけでは食っていけない低農産物価格のうえに経済危機が加わり、企業的農業(日本で言う農民の法人化組織)もうまくいきません。
- いま、農の現場は…/花苗価格を下げさせた生産者
- 日本花き生産協会力ーネーション部会(東京都港区芝大門2-6-5協和ビル、大貫栄一会長、会員3千2百人)に結集する生産者が長いたたかいで念願のカーネーション苗価格を下げさせたと聞き、部会長の大貫さんから話を聞いた。
- 農の会が定例研究会
- 農の会(柳下登会長)では、1月29日(土)〜30日(日)の両日、「農民にとって遺伝子組み換え技術とは何か」を研究会テーマに、2000年度定例研究会を開きます。会場は東京・渋谷区代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター。
- 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン/大豆畑トラスト運動発展へ
- 二年目となった大豆畑トラスト運動は、ことし全国数10カ所に広がり、各地で食品加工業者と提携して、収穫された国産大豆で味カイ、醤油、豆腐の加工もはじまるなど様々な取り組みがすすんでいます。
- やっぱり出た! 栄養ドリンクから遺伝子組み換え物質
- 「農家も消費者も共同して食料・農業を守ろう」「市民に開かれた分析センターにしよう」農民連の呼びかけに応えて、消費者のお母さんたちが分析サンプルを手に、農民連食品分析センターを訪問、みずから“遺伝子組み換え分析”にチャレンジしてみました。
- 本の紹介/遺伝子組み換え作物に未来はあるか
- 本書は、(1)世界に広がる遺伝子組み換え食品ノー(2)アメリカ農業視察で見えたもの(3)組み換え技術ってどんなもの(4)組み換え食品の問題点(5)安全食品の確保と自然環境を守るために―など、いま大きな問題となっている遺伝子組み換えのすべてにわたって記述、全体をつかむには大変便利です。
- 岐阜義民兵(PART II)/飢饉の際、嘆願して捕らえられ牢死した中島勘兵衛
- 岐阜県益田郡金山町桐洞に町文化財の史跡に指定されている義民・中島助兵衛の立派な碑があります。
■1999年12月13日(第431号)
- シアトル WTO閣僚会議が決裂
- アメリカのシアトルで開催されていた世界貿易機関(WTO)閣僚会議は最終日の12月3日夜(日本時間4日午後)、農業、反ダンピング(不当廉売)ルールの見直し、途上国の労働問題などの取り扱いをめぐって各国の意見が対立、また途上国の交渉参加のあり方などの問題が解決せず、宣言の採択を断念し閉会、次期貿易交渉(新ラウンド)の立ち上げは失敗に終わりました。
- 正月のお餅にどうぞ
- 「おいしい地元のもち米でお餅を食べて、お年寄りによい年を迎えてもらおう」と、11月中旬、福島・須賀川農民連は、自分たちが丹精込めた新米のもち米を市内の三カ所の老人ホームに一俵づつ贈呈しました。
- リストラはね返そう
- いまあらゆる企業の職場では、工場閉鎖、別会社化などによる労働者へのリストラ「合理化」の嵐が吹き荒れています。
- 韓国全農が国際シンポに出席へ
- 「国際シンポジウムに参加したい、日本の農民と懇談したい」と韓国の全国農民会総連盟の鄭光勲議長、劉相郁事務総長が2月に来日します。
- 輸入材急増で荒廃の危機
- 豊かな檜の森で知られる木曽谷、長野県木曽福島町で、11月26日から2日間、「第12回日本の森と自然を守る全国集会」が開催されました。
- 農民連第12回大会まであと1カ月/3課題掲げ取り組み急ピッチ
- 農民連は、10月2〜3日の第5回常任委員会で、(1)米投げ売りをやめさせ、農政転換させるたたかい(2)ものを作る人を増やし多面的な産直を展開する(3)都道府県連が自主的に決めた目標達成めざし、新聞「農民」を先行した仲間作りを飛躍させる―3つの課題を重点とした、大会の成功めざす取り組みに全力をあげることをよびかけました。
- 遺伝子組み換え作物/未知の新病原菌発生の恐れ
- フランスの植物学者で、ヨーロッパ・エコロジー研究所長のジャン・マリー・ペルト氏が11月27日来日、東京・明治大学で「遺伝子組み換え植物の健康と環境に対する危険性」について講演しました。
- 東北・北海道ネット/産直米供給の発展へ
- 農民連東北・北海道産直ネットワークは、東京都の米卸業者、城南食糧を通じてお米を供給している西東京地域の米屋さんとの取り組みを発展させるため、11月27日、東大和市にある山崎米店芝中販売所で農産物直売などのイベントを行ないました。
- 許せない悪徳商法! 追及第3弾/米どころ新潟でも「ニセ新米」発見
- 本紙は首都圏を中心にこれまで「ニセ新米」の悪徳商法を追及してきましたが、米どころの新潟でも農民連食品分析センターのテストの結果、「ニセ新米」が販売されていたことが明らかになりました。
- 楽しかったトラスト大豆の収穫祭
- 秋晴れの11月27〜28日、千葉県八日市場市で大豆畑トラスト運動の収穫祭が行われました。
- 商店街に活気を呼んだ/岩国食健連が空店舗で野菜即売
- 山口の岩国食健連は「安全、新鮮な地場の農産物と加工品を」の合言葉で、岩国市の岩国駅前中通り商店街の空店舗を借りて、11月21日に農産物と加工品の即売を行いました。
- 「淡路オレンジ」普及策を
- 兵庫県連は、幻のみかんといわれている「淡路オレンジ」を全国に普及させようと取り組んでいますが、11月11日に県農林水産部、5日には北淡路農業改良普及センターと県洲本農林水産事務所を訪れ、振興施策の確立を求め申し入れました。
- ジャンボシメジ
- わが家の裏庭のケヤキの落ち葉を集め、腐葉土作りの準備をしていたところ、今年はダメかと思っていたシメジの群生を発見。
■1999年12月6日(第430号)
- 京都・伊根町 蒲入漁港の女性たち/たくましく 魚産地に生きる
- リアス式海岸の海べりの道を走り、紅葉に染まる里山を抜け、つづら折りの峠道を上りきると、突然眼下に広がる真っ青な海。漁船の並ぶ小さな小さな集落ここは日本海に突き出た丹後半島の突端、京都府伊根町蒲入(かまにゅう)集落です。
- 新聞「農民」わたしも読んでいます
- 各界からの期待の声を紹介します。
- 市場出荷研究交流会開く
- 農民連は11月23、4日の2日間、熱海市で「市場出荷研究交流会」を開催。小売り卸との共同の取り組みとして各地ですすんでいる市場出荷の経験を交流し、学び合いました。
- 食品分析センター募金者
- 1999年11月12日〜11月25日到着分
- 交流'99/全国一律最低賃金制と共通する農民の米価要求
- 全労連・全国一般労働組合は、産業・業種に関わりなく、日本のどこでも、いかなる労働者でも加入できる個人加盟労働組合が中心になって(東京証券、丸善、明治屋などの企業内組合も含む)、労働者の雇用・権利・生活を守る運動にとりくんでいます。組合員数・3万5千人余、今年結成10周年を迎えました。
- 遺伝子組み換え食品/「不使用」表示 日本は上限を示さず野放し
- 遺伝子組み換え食品について世界的に議論が高まっているなか、「遺伝子組み換え食品をめぐる国際動向と検査・認証問題」のセミナーが11月19日、横浜市内で開かれました。
- 許すな!米の投げ売り/怒りの東北農民大会開く
- 11月18日、「許すな!米投げ売り 米価暴落怒りの東北農民大集会」(東北農団連主催)が、仙台市で開かれました。午前中の集会には東北6県から120人以上が参加。続いて行われたデモ行進ではシュプレヒコールに応えて、デパート前の農協の直売コーナーから「そのとおり。がんばれ!」との声もかかりました。
- 近畿ワイド特集
- 大阪、和歌山、京都、滋賀、兵庫、奈良のワイド特集です。
- 読者が作るページ
- 読者からのお便りを紹介します。
- 牡丹の産地/中海(島根)に浮かぶ大根島
- 干拓が問題になっている中海に浮かぶ大根島(八束町)は、島根の県花・牡丹の産地です。
- 子どもに食・農・健康の大切さを教えよう――家庭栄養研究会30周年シンポ開く――
- 家庭栄養研究会30周年記念の「子どもの生きる力をはぐくむ食・農・健康」シンポが11月21日、東京で開催され、約300人が参加しました。
- お父さんのための「手料理講習会」
- 農民連会員の野菜を中心に減・無農薬のものだけを扱っている卸・小売業者の「自然問屋」は、10月31日、愛知・豊橋市の生活家庭館で「男の手料理講習会」を開きました。
- 農民連の展示コーナーに関心/第44回はたらく女性の中央集会
- 11月13〜14日、「第44回はたらく女性の中央集会」が東京都内で開かれ、2日間で1300人が参加しました。
- 台風被害に寄せられた多くの仲間からの支援と激励に感謝
- 晩秋の風を受けながら高台にある私たちの「大矢野有機農産物供給センター」の事務所(熊本県大矢野町)を見上げると、台風18号被害を受けて、いまだに周りの壁は、はがされ痛々しい光景が目に飛び込んできます。普通ならば意気消沈して、やる気をなくしてしまうのですが、私たちはいま逆に元気を出して被害の修復に力を入れています。
- 和歌山県知事選に立候補して/地域住民の願いの切実さ
- 全国の仲間のみなさん。10月14日の告示から17日間の和歌山県知事選挙では、みなさんの物心両面にわたる温かいご支援とご声援に支えられて、たたかいぬくことができました。
- 各地の話題
- 今年も白鳥飛来/船橋産直まつり 晴天下にぎわう/人形浄瑠璃の世界にしばし酔いしれて…/障害者招き乗馬とミカン狩り
- 演劇/小学唱歌制定の過程をドラマチックに青年劇場
- 国旗・国歌法の成立によって、「君が代・日の丸」問題がクローズアップされましたが、明治時代にも「君が代」は国歌にふさわしくないとの異論もあり、ついに国歌として制定されず今日にいたっていたのです。
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