牡丹の産地中海(島根)に浮かぶ大根島
干拓が問題になっている中海に浮かぶ大根島(八束町)は、島根の県花・牡丹の産地です。 この牡丹は約三百年前、全隆寺の住職が遠州(静岡県)の秋葉山へ修行に訪れたとき薬用として持ち帰り、境内に植えたのが最初だと伝えられます。その品種はいまでは二百数十種にもなり、名実ともに全国一の産地です。 四月から五月にかけての開花期には島外から入江牡丹園・大根島牡丹園・牡丹園中国・柏木牡丹園・由志園・江島牡丹園・吉岡農園・馬渡牡丹園・橘牡丹園・寺津牡丹園など島中の牡丹園はたくさんの人で埋まるそうですが、いま十一月中旬ともなれば、案内板や、畑で葉をつけた牡丹の木に稀に出会うことでそれと知る程度です。 島は回りのどこにも似ていない、水田のない溶岩大地の特有の風土のいわば別天地です。 島の一番高いところに、『ぼたん園グリンステラ』がある。丘の上から見るゆるやかに広がる斜面の大半を占めるのは牡丹の花畑だそうだが、いまは晩秋、土肌で見え、わずかですが繁った雑草が枯れている畑が気になりました。 以前、郵送で『島根の牡丹』を買って、昔からのものと併せて五月中下旬にはわが家の庭は牡丹が咲き乱れますが、せっかくの産地に来たのだからと、牡丹『玉簾』(たますだれ)を一株買って吊るして帰りました。ほとんどが芍薬に接ぎ木をしたもので、したがって「庭に植えるときは、接いだ部分より土を十センチほど盛るように」とグリンステラの人は注意してくれました。
(小林/新聞「農民」1999.12.6付)
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[1999年12月]
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