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近畿ワイド特集(6)

奈 良


明日香村に開発は似合わない!

飛鳥池遺跡破壊するな

万葉ミュージアム建設計画変更求め運動

 NHKの連続テレビドラマ「あすか」の舞台になっている奈良県明日香村。古都保存法で開発規制がかけられ、地区によってはビニールハウスも建てられない状況です。農業立村をうたい、他に比べて農業に対する一定の位置づけもされていますが、とんでもない開発が強行されました。「飛鳥池遺跡を考える明日香村民の会」代表の広田仁吉さんからのリポートです。

 十月五日、すでに埋め立てられた飛鳥池遺跡の上に高さが三十メートル以上もあるボーリング用掘削機が据え付けられ、始動の時を待っています。直径八十センチ、長さ六〜七メートルのパイルがズラリと並んでいます。これが百三十七本も遺跡を立ち割って打ち込まれるのです。

 「万葉ミュージアム」とは万葉集に関連するオリジナルな日本画を百五十人の画家に依頼、展示するというもの。百三十一億円という巨大プロジェクトというのに、起工式も行わず、工事が始まりました。

 「飛鳥池遺跡を考える明日香村民の会」と「飛鳥池遺跡を考える会」は、観光客や村民、建設現場の職員・労働者に「万葉ミュージアムは村内の別の場所に建設し、飛鳥池遺跡は歴史公園として体験学習の出来る場として永久保存を」と訴えました。飛鳥池遺跡は、知られるように富本銭の鋳造など古代の官営総合工房としての実態が次々と明らかになってきました。

 私たちは一月以来、文化庁への要請や県や県議会各派への申し入れ、ミュージアムに描いた画家や著名人への協力要請などを行ってきました。抗議署名も全国から寄せられています。


何でもこなす活躍ぶり

奈良産直センター常勤パート専従 森本照実さん

 「いま、仕事がとってもおもしろい」農民連・奈良産直センターの常勤パートとして事実上、現場のリーダーとして活躍する森本照実さん(49)。

 消費者へのボックスのセット作業から、生協や病院給食への提案、産地の掌握、週一回の新婦人ボックスニュースの発行まで、配達業務を除いて産直にかかわるすべての仕事をこなしています。この十月にこの任についたばかりです。

 「奈良県連も『大いにものを作ろう』の実践の中で取引先も広がり、仕事も大変ですが、実務の経験や組合員との交流に働きがいを感じる」と言います。

 もともとは大阪・泉南地区の「街の子」。労働組合運動を通じて知り合った夫(産直センター理事)の出身地・明日香村の兼業農家に嫁いで十六年目。田んぼ三反、畑六畝で常時二十種類以上の野菜を作り、毎週欠かさず農民連の日曜朝市に出荷している元気な農家のお母さんでもあります。

(奈良県連 竹島茂直)

(新聞「農民」1999.12.6付)
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