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輸入材急増で荒廃の危機

「日本の森と自然を守れ」と全国集会


 豊かな檜の森で知られる木曽谷、長野県木曽福島町で、十一月二十六日から二日間、「第十二回日本の森と自然を守る全国集会」が開催されました。

 今年のスローガンは「山よよみがえれ 山村よ生きかえれ」。「日本の森と自然を守る全国連絡会」「長野県自然保護連盟」の主催のもと、全国から学者・研究者、市民、林業従事者ら三百名余が参加。後援団体として農民連からも小林節夫代表常任委員らが参加しました。

 林業はいま、林産物の輸入自由化政策のもとで外材輸入が激増し、国内の木材自給率は一九・六%へと落ち込んでいます。山は国有林・民有林を問わず荒廃し、山村の過疎化は、危機的な状況です。

 集会では、「自然破壊反対だけでなく、地域の住民の生活や経済も視野に入れた運動が必要になってきた」(パネル討論)、「二十年来の国有林野事業のすえ、累積債務は三兆八千億円に膨張、人員は九万人から一万七千人に削減された。その分生産・育成事業が縮小されて、林野庁は“不動産業”をやっている」(国有林分科会)、「外材輸入で木材価格が暴落、林家が植林・育成・保全ができない。国産材を見直し、積極的に使っていこう」(民有林分科会)、「WTOシアトル会議ではいっそうの木材輸入が迫られているが、これにきちんと反対していこう」(全体討論)などの活発な討論が交わされました。同集会は最後に、「日本の森の再生は、農林漁業、農山漁村の再建・再生とも深く運動した課題であり、そのための連帯をめざす」などを含む集会アピールを大きな拍手で採択し、閉会しました。

木曽農民センターが設立総会

 十一月二十八日、長野県南木曽町で、「木曽農民センター」設立総会が開かれ、開田村や山口村など十人余りの仲間が集まりました。

 木曽谷は、本来豊かな土地ですが、いまその山は外国材におされて荒廃し、農業も切り捨てられようとしています。山や木材で生きる人も、農家も民宿の人も、なんとかしようと、長年の念願を果たして農民センターが結成されました。

 総会では、「民宿部会をつくって、妻篭を活性化しよう」「開田村のおいしい高原野菜の産直を」などが話され、一月二十三日に再度総会を開き、活動方針を作ることになりました。

(山田興平・会長/新聞「農民」1999.12.13付)
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1999年12月

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