演劇小学唱歌制定の過程をドラマチックに青年劇場青年劇場 唱歌元年
国旗・国歌法の成立によって、「君が代・日の丸」問題がクローズアップされましたが、明治時代にも「君が代」は国歌にふさわしくないとの異論もあり、ついに国歌として制定されず今日にいたっていたのです。明治政府の命令で小学唱歌の制定は音楽取調掛(東京芸術大学音楽科の前身)がたずさわりました。 青年劇場が二年前の一九九七年に初演した「唱歌元年 蛍のひかり窓のゆき」(写真)は、音楽取調掛に任命された人たちのドラマです。純粋に子どものための音楽教育をと願う音楽取調掛の飯沢と間垣を中心に、政治的な動きや秩父の自由民権運動などをからませながら話は進んでいきます。「唱歌にはなぜ賛美歌が多いのか?」「洋楽がどのように取り入れられていったのか?」という、今日につながる問題を描いています。 この作品は青年劇場創立三十周年記念創作戯曲賞で入選した島田九輔の作品で、タイトルの「唱歌元年」は審査委員の井上ひさしによって贈られたものです。 今回は関西地域の上演と東京の再演となりますが、作者は今日の時代状況にあった改作をおこなっています。再演にあたって島田さんは「僕は芸術の持っている真実や美しさの力を信じています。その力から希望が与えられるということも。懐かしい唱歌の数々を聞きながら、そのことも今度の芝居でじっくりと感じてもらえればと思う」といいます。 人物設定もむだなく、演技陣もそれぞれの役をこなし、ときには喜劇タッチで笑いをとり、ふんだんに取り入れられた音楽も楽しめます。松波喬介演出。出演は葛西和雄、青木力弥、杉本光弘、小竹伊津子ほか。 (A)
東京公演=12月24日〜25日新宿・朝日生命ホール。地方公演=12月10日〜11日大阪・エル・シアター、12月12日〜14日京都会館、12月15日〜16日奈良県文化会館、12月17日〜19日神戸文化ホール、12月20日大阪・門真ルミエール、1月12日〜13日長野・松本。労演・市民劇場公演は会員制。連絡先=青年劇場・電話03―3352―6922
(新聞「農民」1999.12.6付)
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[1999年12月]
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