2005年7月
■2005年7月25日(第693号)
- 野菜暴落 泣く泣く産地廃棄しても歯止めかからず
- いま野菜産地が、価格の暴落に泣いています。このうち、キャベツやレタス、ハクサイの産地では、箱代や運賃にもならないと、畑でつぶす緊急需給調整=「産地廃棄」が行われ、なんとか価格暴落に歯止めをかけようとしています。「産地廃棄」は、丹精込めた野菜を処理しなければならず、生産した農家にとっては「一番つらい仕事」です。
- 生産を担う運動と組織の前進を
- 悪政に打ち勝つ強大な農民連を――農民連は7月13日、都内で全国委員会を開催。42都道府県から73人が参加しました。日本を再び戦争する国へと憲法改悪の策動を強め、グローバリズムと市場原理を唯一のものさしにして農民を生産からしめ出そうとする小泉内閣。この悪政に対して農民連は、国民や世界の農民と連帯して運動を広げています。全国委員会は、この役割にふさわしく、組織を前進させる決意にあふれました。
- 自民の改憲素案を解明/地産地消の運動活発に
- 「九条の会」は7月9日、東京都内で第二回憲法学習会を開催。約100人が参加し、自民党・新憲法起草委員会(森喜郎委員長)の「改憲素案(第1次)」をもとに、一橋大学教授の渡辺治さんが講演しました。
- GMナタネの自生 住宅街、内陸県まで広がる/水不足で生育気遣い田植え
- 港などにこぼれ落ちた遺伝子組み換え(GM)ナタネの自生が全国で広がっている実態が明らかに―。「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は7月9日、「ストップ! GM汚染 GMナタネ全国自生調査報告集会」を都内で開き、300人を超える参加者が集まりました。
- 映画「ジャマイカ 楽園の真実」
- 私たちは、ジャマイカという国の名前を聞いたとき、何を思い描くでしょうか。アメリカの南、カリブ海に浮かぶリゾートの島。青い海、白い砂浜、燦々(さんさん)と輝く太陽…。しかし、この映画は、ジャマイカがグローバル化の波にのみ込まれ、農民が離農に追い込まれるなど、ジャマイカの人々の生活を「楽園の真実」として真正面から取り上げたドキュメンタリーです。全編にジャマイカで生まれた音楽―レゲエが流れます。
- 農業を真剣にがんばる「新鮮組(北海道青年部)」に勇気もらった
- 農民連青年部の「夏の学習交流会in北海道・空知」が7月6〜9日(8、9日はオプショナルツアー)、全国各地から30人以上の青年が参加して、開かれました。
- 旬の味
- 6月下旬の蒸し暑さのなかで、静岡では2番茶の収穫が始まった。茶は加工方法で緑茶にも紅茶にもなる
■2005年7月18日(第692号)
- 豚肉輸入 後を絶たない脱税事件/米屋さんと生産者をつなぐ交流会
- 豚肉の差額関税を悪用した脱税事件が後を絶ちません。豚肉の需要は、BSEや鳥インフルエンザの影響で急増。国内産に匹敵する年間86万トン(2004年度)を輸入しています。事件の背景と問題点を考えました。
- 郵政法案 5票差で衆院本会議可決
- 郵政民営化法案が7月5日の衆議院本会議で採決され、わずか5票差で可決、参議院へ送られました。
- アメリカ牛肉 輸入再開の諮問撤回を
- アメリカで2頭目のBSE感染牛が確認されたことを受け、全国食健連と農民連、畜全協(畜産農民全国協議会)は7月1日、厚労省、農水省に対して、アメリカ産牛肉輸入再開の諮問を撤回し、禁輸を続けるよう緊急に要請しました。
- 国民大増税計画 政府税調
- 政府税制調査会(首相の諮問機関)は6月21日、国民大増税計画を打ち出し、全国で怒りの声が広がっています。
- 鳥インフルエンザ 早く復興できるよう支援を
- 茨城県水海道市の養鶏場から6月26日、高病原性鳥インフルエンザが検出されました。その後、5件の養鶏場から、過去にウイルスに感染したことを示す抗体反応が出るなか、政府や県・市に被害の拡大防止、養鶏農家にたいする損失補償、原因究明と感染ルートの解明などを求めた農民連の取り組みと、養鶏農家の思いをリポートします。
- 雨不足で農作物に被害広がる
田植え断念の農家も/農業共済での救済を要請
- 西日本地方では、今年3月から6月末までまとまった雨が降っていません。そのため取水制限もおこなわれ、稲作や果樹、野菜などに深刻な被害が広がりました。
- 「基本計画」よくわかった
- 新潟市北農業委員会(服部曽兵衛会長)は6月24日、講師に農民連本部から笹渡義夫事務局長を招き、新たな「基本計画」について学習会を行いました。笹渡事務局長を呼ぶきっかけは、農業委員で農民連会員の風間昇さん(58)が「現場の農家や農業委員もこの先どうなるのか、いまの農政に不安をかかえている。政府がやろうとしている中身を何とかわかりやすく勉強できないか」と思い、「それなら農民連しかないだろう」と、農業委員会に提案したことからです。
- 介護保険 改悪に農家からも怒り
- 介護保険が6月に改悪されました。特別養護老人ホーム(特養)など施設利用者から居住費、食費を徴収し、在宅介護の人にも負担が押しつけられる内容。さらに軽度者はサービスから排除されます。高齢者を介護する農家からも改悪に怒りの声が上がっています。
- 近づく日本母親大会in茨城 なんとしても成功させよう!
- 「さぁ、いよいよ日本母親大会だね!」。茨城農民連女性部「ゆいの会」は、目前に迫った母親大会を「なんとしても成功させよう!」と気持ちをひとつにはりきっています。
- 旬の味
- 息子は外で働いているが休みの日には決まって農作業を手伝ってくれる。この前の休日、田んぼの追肥から帰った息子がこんなことを言っていた
■2005年7月11日(第691号)
- やっぱり危ない!アメリカ牛肉
- 6月24日に確認されたアメリカで2頭目のBSE感染牛。これをめぐって、食品安全委員会プリオン専門調査会の山内一也氏は「(アメリカの)検査体制の不備が裏付けられた」と指摘(日本農業新聞6月26日)。それでもなお、「何の心配もいらない」(ジョハンズ農務長官)、「輸入再開には影響しない」(細田官房長官)と口をそろえる日米両政府に、国民の批判が高まっています。
- 生鮮ジャガイモ輸入解禁 アメリカの圧力で来春にも/“輸入解禁を許さない”
- 日本では、植物防疫法でシストセンチュウなどの病害虫を防止するため、発生国からの生鮮ジャガイモの輸入を禁止しています。しかしアメリカは昨年8月、生鮮ジャガイモの輸入解禁を日本に要求。「農水省は早ければ来年春から、ポテトチップスの加工用に限って解禁する方針」と報道されています。
- リンゴ火傷病の日米検疫問題(下)
- WTOの紛争解決機関(DSB)は2003年12月、アメリカの主張を認める上級委員会報告を採択しました。日本は、WTOの勧告を受け入れて、昨年6月、緩衝地帯を500メートルから10メートルに、年検査回数を3回から1回にするなど検疫制度を大幅に緩和しました。しかしアメリカは、それでも不十分としてWTOに再提訴し、この度、アメリカの主張を認める最終報告が出され、日本の敗訴が確定しました。日本は最終報告に従って検疫制度をいっそう緩和するか、対抗措置(155億円の報復関税)を受け入れるか、さらなる協議に入るものと思われます。
- 「憲法九条」を平和に生かそう
- 6月12日、「2005年国民平和大行進」の太平洋コース(北海道→東京)が、岩手県岩手町に入り、農民連の田村正県連副会長はじめ25人が参加して歓迎集会が行われました。
- 鳥インフルエンザ問題
- 茨城県水海道市で発生した鳥インフルエンザの問題は、全国一の生産量を誇る“鶏王国”茨城の屋台骨を揺るがしています。
- 身近な人が痴ほうになったら…
- 千葉県農民連女性部「あらぐさの会」は6月16日、恒例の「あらぐさのつどい」を開き、40人が参加しました。
- ファーマーズ生鮮市 4周年記念セール
- 農民連ふるさとネットワーク東海が産直野菜・果物を販売する「ファーマーズ生鮮市」は6月17日、4周年記念セールを行いました。
- インド農業最大の危機/〈投稿〉食料工場に変わる(下)
- 米だけではない。トウモロコシ、綿花、ヒエ、野菜など、乾燥地帯に推奨されている混合種は、すべて大量の水を必要とする。加えて、農学者は化学肥料を必要としていると訴え、農民を誤った方向に導いてきた。水不足と化学物質という有害な組み合わせは、乾燥した土地をやせさせただけでなく、不毛な土地に変えてしまった。しかし、“これでは不十分だ”といわんばかりに、綿花では、より多くの水を必要とする遺伝子組み換えのBt綿花を、種子産業の利益のために推し進めた。
- 農家のおかあちゃんが絵画展/手作りの五平もちで消費者と交流/『九条の会』有明講演会―憲法9条、いまこそ旬
- 辺りに漂う青葉の香りも、遠くから聞こえてくる牛や豚の鳴き声も感じられる絵です。千葉県飯岡町の嶋田君子さんは、米やメロン、ネギ、ダイコンなどを作る大規模農家のお母ちゃん。忙しい農作業の合間をぬって、「畑の中のお友達」(花や虫、動物、空、風も…)を題材にしたはがき絵を描きためてきました。その嶋田さんと、同じ集落に住む長谷川宏さんの二人展が6月5日、飯岡町のユートピアセンターで開かれ、1000人近い見学者が訪れました。
- この人/愛媛・西予市 直売所「百姓百品」スタッフ
- 「『元気がいいね』『声が大きくていいね』とお客さんに声をかけられると、また明日からがんばるぞ、と元気づけられます」。4月23日、愛媛県西予市の旧野村町にオープンした直売所「百姓百品」のスタッフとして働いています。
- 旬の味
- 湿度の高い日が続く雨期はうっとうしいが作物の成長は早い。病気や雑草にも油断ならないので気の抜けない季節である
■2005年7月4日(第690号)
- 平和のこと憲法のこと 私にできることやらないと…
- 「農林水産九条の会」の呼びかけ人のひとり、東京農工大学名誉教授の梶井功さんに、憲法のこと、平和のこと、そして農業について話を聞きました。
- 「九条の会 ゆうき」党派を超えて結成
- 全国で草の根から「九条の会」の結成が相次ぐなか、「核兵器廃絶・平和都市宣言」をしている茨城県結城市で6月12日、「九条の会 ゆうき」結成のつどいが開かれました。
- アメリカの肉骨粉 表示規制にすぎない
- アメリカの肉骨粉規制は表示規制にすぎない――農水省は6月17日、全国食健連・農民連が行った要請に対して、このことを認めました。
- リンゴ火傷病の日米検疫問題(上)
- リンゴ火傷病は、「火傷病菌」という細菌によって蔓延(まんえん)し、バラ科のリンゴ、ナシなどの果樹やバラ科の花木類を侵す最重要病害です。
- キャラバン走る 12市町村とJA訪問
- 福島県浜通り農業を守る会は6月8、9日の両日、アメリカ産牛肉の輸入再開反対と地産地消推進を求めて、2市8町2村とひとつのJAを訪問。のべ27人の会員・役員が参加しました。
- 中越大震災 新潟県災対連が現地調査と県・政府交渉
- 中越地震から7カ月。大きな被害を受けた新潟県では、融雪や梅雨に伴う豪雨による、がけ崩れや土砂崩壊への不安が広がっています。農民連も参加する「災害被災者支援と災害対策改善を求める新潟県連絡会」(新潟県災対連)は現地調査や行政との交渉に取り組んでいます。被災地の現状と6月9、21両日の県・政府交渉のもようをリポートします。
- 小規模農地の復旧などを助成する「手づくり田直し等支援」新たに
- 新潟県災対連は6月9日、県交渉を行い、農民連からは5人が参加。(1)国・県の補助対象になっていない小規模災害地の農地・農業用共同施設復旧への助成(2)営農継続に必要な農舎・農機具などの被害復旧、補修への助成(3)震災の被害により作付けできない棚田・農地への中山間地農業・国土保全・管理など維持費としての助成―などを求めました。
- みそ仕込み
- 新潟市の「手造り味噌の会」(世話人・松井良枝さん)は5月26日、毎年恒例のみその仕込みをしました。
- 田植え
- 福岡県久留米市にあるひいらぎ保育園と福岡市東区の筥崎(はこざき)まちづくり放談会の約50人が、6月19日、みのう農民組合米部長、中村清人さんの田んぼで田植えを行いました。
- アメリカ青年 福島県を歩く
- 先月行われた食健連・農民連のBSEアメリカ視察の際、快く話を聞かせてくれたミネソタ州の農家シーバー・ピーターソンさんの息子、アーロン・ピーターソンさん(23)が6月15日に訪日。16〜17日、福島県を訪れ、佐々木健三会長をはじめ、農家や青年たちと交流を深めました。
- ジャンボタニシ
- ジャンボタニシ(和名・スクミリンゴガイ)が、千葉県内でも広がっています。
- 旬の味
- 南国鹿児島の「旬の味」はタケノコといいたい。幼少のころから遊び道具として竹ゴマ、竹とんぼ、竹馬などに親しみ、食用としてもみそ汁や煮しめにと、生活のなかに溶け込んでいる
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