“世界は心一つ”を実感参加者の感想
とても有意義グリセル・エレラ・マルティネスさん (キューバ大使館商務参事官)「WTO改定と食糧主権の確立」というテーマにもとづくシンポジストの発言はとても有意義でした。キューバはWTOによって深刻な問題を抱えており、食糧主権の確立なしには飢餓・貧困の問題は解決しません。途上国・先進国の双方が参加して話し合いをもつことは意義のあることだと思います。
連帯を深めて木村康子さん(日本母親大会実行委員長)パネリストと参加者の心が一つになったすばらしいシンポジウムでした。インドネシアのヘンリーさんは「紛争の火種は多国籍企業が持ち込む」といいます。食糧主権の意義と、お互いの国の特徴を発展させながら連帯を深めていくことの重要性が胸に落ちました。
胸に落ちる報告高橋千鶴子さん(日本共産党衆議院議員)「農地の大部分は大企業が所有。WTO協定に加盟しているから、世界最大のコメ輸入国だ」(インドネシア)、「自由貿易協定で利益をあげているのは企業だけ」(メキシコ)、「政府の所得保障制度で得をしているのは多国籍企業」(アメリカ)など、胸に落ちる報告でした。民主党も「FTAの時代」などと叫んでいますが、このシンポで行き着く先がはっきり見えました。
食糧主権実現へ姉歯 暁さん(大妻女子大学助教授)文字で受け取るしかできなかったインドネシアやメキシコの農業・農民が直面する現状について実際にお話を伺うことができ、怒りや悲しみ、そして連帯できる喜びを実感することができました。市場原理と異なる新しい道、しかもグローバルな規模で一致して取り組める食糧主権確立の運動を発展させるため、ともにがんばりたいと思います。
一致する要求で紙 智子さん(日本共産党参議院議員)各国の農業をめぐるさまざまな環境や条件の違いはありますが、「食糧主権」の確立という方向で一致できる要求運動が、さらに発展していく息吹と可能性を力強く感じました。輸入自由化によって各国の農業生産に大きな打撃を受けている点では、参加各国共通です。打開すべき共通の対象も浮き彫りにされました。視野を大きく持って、国内の運動にも力を尽くす必要があると思います。
地域で青年と杵塚 歩さん(静岡・お茶農家)各国の問題や悩みなどに共通点があると思いました。これから日本の農業と農民の抱えている問題をもっと理解していきたい。農業をめぐる問題には自分たちだけでなく、国や企業が関係していることを再認識しました。アメリカ農業の実態を撮影した写真などを使って学習したり、交流したりしながら地域で青年の動きを作っていきたい。
農業振興条例を長野から参加の四人の県会議員長野県からは四人の県議が参加しました。共産党の小林伸陽さん、備前光正さん、毛利栄子さんの三人と、無所属で共産党員の林奉文さん。「多国籍企業が私腹を肥やしているために、世界の農民がたいへんな状況に置かれていることが鮮明になった」と備前さん。小林さんは「食料を作ることが人間の歴史をつくってきた。“作らせない”農政は、社会発展の障害」とキッパリ。「農業を守ることは地域の経済を守ること」という林さんは「シンポで学んだことを農業振興条例の審議に生かしていきたい」と抱負を語っていました。
(新聞「農民」2004.4.26付)
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[2004年4月]
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