連帯・交流・歓迎の渦に包まれた一週間〈2〉
ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議海外代表
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埼玉、千葉の農業現場で視察
直売所を熱心に見学
「農民運動の歴史」聞き拍手
秩父
海外代表団は二十二日、埼玉県の秩父で農業視察と交流を行いました。
宿泊した両神荘を出発して、まず向かったのは、秩父・小鹿野町の山間地で、キュウリやウドを生産する新井正夫さん(61)。キュウリハウスの前で、農薬や化学肥料を抑え、土壌微生物を使う、ぼかし肥料の説明を受けるとともに、自治体の補助金で建てた共同ハウスを視察しました。
肥料の作り方、キュウリの育て方や収穫方法など、質問に丁寧に答えた新井さん。「山間地で農業を続けていくのは大変だが、消費者の信頼を得ることで乗り切っています」と笑顔で話しました。
その後、秩父こんにゃくの拠点、「ふるさと両神」を訪問。小菅栄市社長の「こんにゃくが県内の学校給食にも取り入れられ、町おこしにも貢献している」との説明を受けながら、こんにゃくを味わう代表団。こんにゃくの種類の多さに驚きの声をあげていました。
さらにJA秩父小鹿野支店の直売所や農産物の集荷・出荷施設を視察。直売システムの話に耳を傾けながら、熱心にメモをとっていました。
代表団は、秩父困民党決起の場となった吉田町の椋(むく)神社に移り、事件を研究する新井健二郎さんに、「秩父事件とその今日的意義」のテーマで話を聞きました。当時の農民が負債の軽減などを求めて決起したが、鎮圧され、その後、政府がアジア侵略の道に進んでいった歴史を紹介。
そのうえで「秩父事件の伝統が戦後民主主義に受け継がれ、憲法が制定されたが、政府は、憲法・教育基本法を変えようとして、戦争する国へと突き進んでいる。私たちは、憲法を守るためにがんばる」と話すと、大きな拍手がわきました。
宿泊先で、夕食をとりながら、埼玉農民連と交流。自ら農地改革を体験した野本家六さんによる「戦後日本の農地解放」の話を聞きました。
戦後、農地が農民に解放されたが、農地の大企業所有を認め、家族農業が切り捨てられようとしている問題にふれ、「農業と食糧主権を守るために、世界の仲間が手を組んで、WTOに立ち向かおう」と呼びかけました。
(新聞「農民」2006.6.12付)
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