全国委員会への報告(2/5)2012年1月19日
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そして、グローバリズムによって助け合いや協同の思想、役割が否定されるなかで、国連が2012年を「国際協同組合年」として国際的に協同組合への啓蒙を呼びかけていることも重要です。
こうした波乱と激動を国民のたたかいで打開する2012年の運動の柱は、(1)草の根からの共同を構築してTPPへの参加や農業破壊を許さないたたかいを広げる、(2)国民の暮らしと経済を破壊する消費税増税を阻止する、(3)原発ゼロと再生エネルギーへの転換、原発被害の全面的な賠償、被災地の復興を勝ち取るたたかいにあります。
避難所や仮設住宅での継続した炊き出し、「青空ゼロ円市」などの創意ある活動、避難所で要望を聞き取り津波で流された洗濯機や車、軽トラックを提供するなど、きめ細かい救援が行われたことも特徴です。
牧草が汚染されて使えなくなった福島県の酪農家に、北海道の仲間が全道から大型トラック20台分もの牧草や麦わらを届けるという、感動と連帯感あふれる取り組みも展開されました。こうした取り組みは、運賃補助の要求を渋ってきた政府を動かし、不十分ながら実現したことも大きな成果でした。
救援募金は、被災した各県連やかかわりの深い被災自治体に届けるとともに、救援物資の配送や炊き出し、ボランティア活動、復興のための活動、原発事故による賠償請求運動の費用として大きな支えとなりました。
これからも、全国組織のネットワークをいかし、被災した仲間や農家が営農を再開できるように、あらゆる援助を強めます。
同時に、住宅の建て替え助成の大幅な拡大、国の全額負担による農地復旧や倉庫、用水などの農業施設、農地の除塩、漁港再建や加工・冷凍などの漁業関係施設の復旧、二重ローンの解消、生活再建支援などを実現する運動を強めます。
これに対して、東京電力への抗議と賠償要求、政府への対策を要求した4月26日、8月3日、12月26日などの行動は、マスコミにも注目され、東京電力を国民世論で大きく包囲する契機となりました。また、損害を受けた被災者を大いに激励しました。
なかでも、福島県北農民連が桃とあんぽ柿の全面賠償を勝ち取ったことは画期的で、東京電力の請求書の枠にとらわれず実害を補償させた点でも大きな成果でした。こうしたたたかいと実績は、「東京電力への賠償請求は農民連で」という信頼を広げ、福島、宮城、茨城、長野などで会員拡大を前進させていることは重要な成果です。
切実な賠償請求要求で会員拡大を飛躍させるために、「春の大運動」と結んで、損害を受けたすべての農家に「農民連に入って一緒に損害賠償を請求しよう」の大宣伝、対話を広げ、「相談会・説明会」もきめ細かく開催します。全国規模やブロックなどでの運動の交流も行います。
募金を力に、シンチレーション測定器を8月から順次3台導入し、そのうちの1台は福島県連に配備しました。ゲルマニュウム測定器の納品は、新年早々に配備できる見通しとなっています。
測定器の導入以来、野菜やコメ、土壌などの検査検体は数千件におよび、食の安全チェックに大きな役割を果たしています。
導入募金運動の最大の成果は、農民連が放射能汚染に立ち向かう機能を持ったことにとどまらず、運動をともに進める広大な仲間とすそ野を切り開いたこと、農民連の社会的存在感をさらに拡大したことにあります。この成果は、今後の農民連運動を発展させる土台となるものです。
引き続き、食品分析センターにふさわしい組織のあり方を探求します。
政府は、国民の食の安全への不安の高まりのなかで、500ベクレル(飲料水、牛乳・乳製品は200ベクレル)としてきた食品中のセシウム暫定規制値を、今後引き下げようとしています。規制値の引き下げは当然ですが、これによって作付け不能地域がさらに広がることが予想されます。こうした地域に対する万全な対策を要求します。
昨年12月に結成された「原発をなくす全国連絡会」を軸に多様な行動と共同を広げるとともに、草の根から「原発なくせ」の一点での国民的共同を発展させ、政府に原発推進政策を断念させるために全力をあげます。
中央、地方で計画されている「3・11メモリアル集会」(仮称)を、復興と原発ゼロを要求する節にするために力を尽くします。
原発ゼロを政府に決断させて再生エネルギーに転換させる運動は、農山漁村の再生と深く結びついた課題です。再生エネルギーの生産を大企業のもうけの場にさせず、市民や農民が共同して担う社会を展望し、そのための政府や自治体への支援策の抜本的強化を要求して運動を強めます。
[2012年2月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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