たたかってこそ情勢打開
|
関連/たたかってこそ情勢打開 組織づくりでも大飛躍を(1/2) /たたかってこそ情勢打開 組織づくりでも大飛躍を(2/2) |
農民連は1月19、20日の両日、東京都内で全国委員会を開催しました。
全国委員会では、正念場となっているTPP参加を許さないたたかいや原発事故の全面賠償、多様な要求運動、たたかいの核となる組織づくりなどについて、常任委員会からの報告を受けて活発に議論しました。その後、常任委員会の報告(案)と農民連および分析センターの2012年度予算見直し案を、全員一致で採択しました。
冒頭、白石淳一会長は「この間の活動は、たたかってこそ状況が打開できることを示した。運動でも組織づくりでも大きな飛躍をかちとろう」とあいさつしました。また、放射能測定器(ゲルマニウム半導体検出器)の導入にあたって支援をいただいているフランス労働総同盟から、メッセージが寄せられました。(常任委員会の報告は次号に掲載します)
常任委員会からの報告のうち、真嶋良孝副会長が「TPPをめぐる情勢と課題を中心に」を報告しました。以下、報告の要旨を紹介します。
たとえば、フォードなど3大メーカーでつくる自動車政策会議は、“アメリカ車の輸入に複数年の目標数量枠を設ける”、つまりミニマムアクセス米ならぬ「ミニマムアクセス・カー」を求めています。また、軽自動車の規格も「もはや合理的な政策ではない」として廃止を求めています。
これは、「燃費効率が最悪・図体のデカさ・故障頻発」の3点セットの“アメ車”(ダメ車)が売れない理由を、日本の「閉鎖性」と規制制度に求める身勝手な圧力です。
生命保険業界は、「簡易保険はがん保険などの新商品を出すな、交渉前に約束しろ」と要求していますし、食肉輸出連合会はBSEの牛肉輸入では「20カ月齢や30カ月齢などの月齢制限などしないで輸入を認めろ」と言い出しています。コメも完全な自由化を求めています。
いまはまだ業界団体からの要求ですが、2月から始まるアメリカ議会との協議の中では、バンバンこうした要求を日本に突きつけるでしょう。クリントン政権時代に通商代表部(USTR)代表を務め、現在も通商政策に深くかかわっているシャーリーン・バーシェフスキー氏は、日本経済新聞のインタビューに答えて「長年の懸案である農業や自動車、牛肉、日本郵政の保険分野で顕著な譲歩を示す必要がある。アメリカ議会はFTAで韓国から引き出した以上の譲歩を日本に求めたい意向だ」(1月4日付)と述べており、圧力はとどまるところを知りません。
こうした事実を多くの国民に知らせ、「TPP交渉に参加するな!」の世論をおおいに盛り上げていくチャンスにしていこうではありませんか。
また、ニュージーランドのティム・グローサー貿易大臣は、もっと露骨に「(日本などの)『並行協議』の対象国は、既存の9カ国がこれまでの成果を打ち固めている間、交渉には何の役割も果たさないだろう」と言い放っています。
これに対して、ニュージーランド・オークランド大学教授のジェーン・ケルシー氏は、「要するに日本は協定が基本的に完成するまで交渉に参加できない。日本は交渉のテーブルに着くために重要な譲歩を約束した上で、自分たちが発言の機会を与えられないままできあがった協定を受け取るだけだ」と断言しています。
民主党政権は「早く交渉に参加しないと、日本の主張が入らないルールが作られてしまう」と言って、交渉参加を合理化しようとしていますが、まったく“国民だまし”もはなはだしいと言わなければなりません。
[2012年1月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会