「農民」記事データベース20101025-946-10

韓国農民

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運動も暮らしも元気(3/4)

農民連代表団の韓国訪問

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四大河川整備事業

広大な農地破壊にショック

工事期間たった2年間

 最後に訪れたサンジュ市では、韓国の四大河川を同時に大改修する「四大河川整備事業」のショッキングな光景に直面しました。

 この事業は、合計で22か所のダムや堰を造って川底の砂を浚渫(しゅんせつ)し、船が行き来できるようにするという、総予算22兆ウォン(約1兆6000億円)にも上る超大型公共事業です。工事期間はたった2年間で、現在工事はたけなわ、来年には終わる予定です。

 サンジュ農民会のイ・クッチンさんに案内され、市内を流れるナクトン河(ガン)の工事を視察しましたが、流れはせきとめられて水は茶色くよどみ、豊かだったという湿地の生態系は見る影もありませんでした。

画像
せきとめられ、無残な姿で川底をさらすナクトン河(ガン)

 さらに問題なのは、浚渫した川砂が周囲の農地に捨てられ、広大な農地がつぶされていることです。水田だけでなく、畑も減り、野菜価格暴騰の原因の一つにもなっているといいます。

 この事業は、土建業界出身のイ・ミョンバク大統領が、選挙時の公約で掲げながら国民世論の反対で断念に追い込まれた「韓半島大運河構想」を、グリーン・ニューディール政策と銘打って焼き直したものですが、現実には取り返しのつかない環境と農地の破壊が行われています。


参加者の感想

 ものづくり大切にする姿に感動

 渡部チイ子さん 韓国は、まもなく稲刈りが始まります。水田のあぜには彼岸花が咲き乱れ、大豆も植えられていました。畑にはところ狭しとアズキやエゴマ、ゴマ、サツマイモが植えられ、減反面積も少ないのか、荒れている水田もあまり見られません。日本の農民よりも、もの作りを大切にしていることに感動しました。

 KWPAは在来種を守る運動を大切にしています。この運動が持続可能な農業を実現し、食糧主権を確立する大切な取り組みとして位置づけられていて、学ぶことの多い交流会でした。

 今回学んだことを広げ、女性部の活動にも生かしていこうと思います。

 産直や地産地消がんばっている

 町田拡さん 初日の宿舎到着は午前1時でしたが、会長さんはじめ皆さんの熱烈な歓迎を受け、連帯の強さを感じました。KPL20周年記念式典の交流会場で、米農家と懇談する機会がありましたが、私たちと同じ悩みを抱えていました。また韓国の皆さんも、産直や地産地消に力を入れ、よく研究してがんばっている姿を見ることができました。

 東学農民革命のたたかいには感動し、涙が出る思いでした。KPLスタッフ、カク・キルジャさんの「どこの国にも歴史があり、そうした歴史を経て今日がある。KPLは東学農民革命の精神を引き継いで運動している」という言葉も印象的でした。

(新聞「農民」2010.10.25付)
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2010年10月

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