農民連代表団が韓国訪問KPL・KWPAと定期交流(2回目)
農民連の代表団が9月29日から10月3日まで、韓国を訪問し、韓国全国農民会総聯盟(KPL)と韓国女性農民会総連合(KWPA)との定期交流が行われました。第1回の昨年はKPLとKWPAが来日して行われ、第2回となる今年は日本が韓国を訪問。KPL創立20周年式典への出席、生産組合や女性農民会との交流、韓国の農民運動と独立運動の原点と言われる「東学農民革命」の史跡見学など、盛りだくさんの日程で交流し、行く先々で温かい歓待を受けました。産直や生産組合など生産現場での運動の広がりに感銘を受けるとともに、ともに学びあい、さらに共同を強めることを確認しあいました。
生産現場の運動の広がりに感動韓国と日本 なんと似ていることか!深夜まで待って代表団を大歓迎今回の定期交流に農民連から参加したのは、白石淳一会長、真嶋良孝副会長、村尻勝信副会長、渡部チイ子女性部副部長を含む12人。1泊目の宿泊地であるチョナン市に代表団が到着したのは午前1時近い深夜でしたが、KPL議長のイ・グァンソンさんをはじめ、この地域のKPL、KWPAの皆さんが寝ずに待っていてくれ、代表団を歓迎してくれました。
KPL、KWPAと農民連との懇談では、冒頭で農民連の白石さんがあいさつし、「今年は“韓国併合”100年。日本帝国主義は韓国の人々に多大な苦難を強いたが、私たち日本の農民運動の先輩たちは命がけでたたかった。農民連はその流れをくむ組織だ。二度とこのようなことが起こらぬよう、これからも努力していきたい」と述べると、韓国の参加者から大きな拍手が送られました。
“片手に闘争、片手に代案”でKPL政策委員長のイ・チャンハンさんは、「生産費は毎年上がっているのに、米価が15年前の水準に暴落しており、農民は苦難に直面している」と、韓国農業の現状を紹介。その原因として、ミニマムアクセス(MA)米輸入の増加や公的備蓄制度の後退、イ・ミョンバク政権でますます加速する市場原理主義の導入、北朝鮮へのコメ支援の中断をあげました。
これに対し農民連の真嶋さんは、「韓国と日本の状況は、なんと似ていることか。これからお話することは韓国のことではありません。日本の現状です」と切り出し、今年の米価暴落の深刻さや、APEC(アジア太平洋経済協力会議)をはじめとした貿易自由化政策、「9・10怒りの農民中央行動」など農民連の運動を報告しました。 KWPA事務局長のク・チョムスクさんは、「私たちは“片手に闘争、片手に代案”を持って、運動している」と述べ、代案である食糧主権の実践として、「菜園運動」(農家の家庭菜園の野菜を、消費者に直接届ける取り組み)と、在来種を守る活動に取り組んでいることを紹介しました。
異常気象が襲い白菜価格が10倍農民連代表団が「日本と同じだ」と驚いたのは、米価暴落や新自由主義が吹き荒れる農政だけではありません。韓国でも今年は地球温暖化の影響かと思われる異常気象が襲い、春先は冷害、梅雨は長すぎ、夏は猛暑、秋はめったに上陸しない台風が直撃と、農作物への被害が深刻だったそうです。とくに今、キムチの漬け込み時期を迎えた白菜はかつてないほどの不作で、価格が例年の10倍、1玉1万5000ウォン(約1000円)に暴騰。加えてトウガラシも不作で、今年漬け込むキムチは「金ムチ(クムチと発音)になる」と、国じゅうが大騒ぎになっているということでした。(4・5面につづく)
(新聞「農民」2010.10.25付)
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[2010年10月]
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