「農民」記事データベース990913-419-01

99農民連全国研究交流集会開く

“飛躍の芽”しっかりとつかんで前進を

全国のすぐれた活動経験学んで

もの作り・「農民」拡大など力強い発言次々

長野・信濃平


99農民連全国研究交流集会

 「米関税化を強行されたくやしさ、座して死を待つわけにはいかないという思いで奮い立った」県連大会自主目標の新聞「農民」一千部を突破、その後も持続的に拡大している秋田県連。
 「農民は事実を知れば一気に変わる。政治を変えようが合言葉になった」攻勢的な宣伝、申し入れで農協の態度を変えさせた長野・上伊那農民組合。
 「可能性はまだまだある。農家があきらめないで作り続けられる組織をめざす」野菜ボックス二十五万個供給をめざしてとりくむ和歌山・紀ノ川農協などなど。

参加者は過去最高350人超す

 全国の進んだ経験を学び合い、「とも育ち」の場になっている農民連全国研究・交流集会が、八月二十四〜二十六日に開かれ、力強い発言が次々と飛び出す、たたかう農民連の姿を示す集会になりました。
 会場は、長野県北の飯山市。過去最高の三百五十人以上の参加者を迎えたのは七月に結成されたばかりの信濃平の農民連民宿部会です。「本当のグリーンツーリズム」をめざし、農業と民宿経営を両立させている仲間が、心を込めてもてなしてくれました。

長野・栄村高橋村長が記念講演

 記念講演は、「人間復興の住民自治」をモットーに地域農業の振興にとりくむ長野県栄村の高橋彦芳村長。豪雪の山間地帯で繰り広げられる住民が主人公の施策の数々に、目を輝かして聞き入る集会参加者。「並大抵のことではないが、地域で埋もれている知恵や技を掘り起こし、一人ひとりの活力を呼び起こす」という姿勢は大きな感銘を与えました。

 集会は、北嶋誠さんとヒューマンファーマーズの明るく元気な、心にしみる歌声で開幕。小林節夫代表常任委員は開会あいさつで、「未曾有の農業の困難さは、逆に悪政を推進する自自公の最大の弱点。運動してこそ展望が開ける」と強調。その上で、みんなが自発的に運動に参加する「新しい時代にふさわしい、新しい組織に作りかえるくらいの努力を」と呼びかけました。
 続いて、谷口一夫事務局長が、「働きかければどこにも飛躍の芽がある」と題して、運動の展望と課題を提起。「大いにものを作る人を増やし、日本農業を守るために、来年の大会めざしたたかおう」と訴えました。真嶋良孝事務局次長が「新農基法と今後の農政をめぐる情勢について」報告しました。

「やればできる」の確信もって

 討論では、市場・仲卸・小売へとつながり始めた九州・東北・東海の各産直ネットの活動、漁連と共同し魚の産直という新しい展望を切り開いた京都や、事務所と併せ直売所を開設、地域住民に大好評の岩手・西磐井など、「流通を国民の手にとりもどす」とりくみが報告されました。

 また、中心役員の急逝後、一時期の停滞から見事に復活し拡大の自主目標をやりきった島根県連をはじめ、幹部が先頭に奮闘した群馬、埼玉、新潟の新聞「農民」拡大の経験が次々に報告されたのは、交流集会はじまって以来。
 自治体、農協に働きかけ全農家規模で“米投げ売り”構想に反対する署名を集めた新潟・笹神村などなど、意気高い発言が続きます。さらに八つの分散会に分かれて率直に疑問を出し合い、意見を交換。「やればできる」と確信が広がりました。

 参加者は、「そんな組織を、そんな町をどうやったら作れるか、考える材料があふれる『宝の山』だった」「あきらめないでものを作っていくこと、それを粘り強く主張していくこと。今それが大事だ」と、たたかいの主戦場へと戻っていきました。

(新聞「農民」1999.9.6/13付)
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1999年9月

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