広げよう!自給率向上署名
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仮に「台湾有事」になった場合、日本・台湾・フィリピンのラインで専制国家群と対峙(たいじ)しているアメリカは、自由主義陣営の旗頭を自称している以上、参戦せざるをえないであろう。そうなると、在日米軍基地つまり日本国も戦場にならざるをえない。その結果、島国であるわが国は、食料の輸入が止まってしまう。だから、現在、カロリー・ベースで38%の食料自給率のわが国は、瞬時に食糧危機に陥ってしまう。
そこで、今からでも、速やかに食料自給率を高めるためにあらゆる努力を行うべきである。そのためにも、来年1月からの通常国会で食料・農業・農村基本法(農政の基本理念・政策の方向性を示す理念法)の改定が予定されているが、その際に、食料自給率の向上を政府の「法的義務」として明記すべきだという主張がある。
しかし、それが「法的義務」だと書くだけでは「法的」にはあまり意味がないと承知しておくべきである。まず、「理念法」とは、国策としての「努力目標」を明記するもので、法的にその実現を強制するものではないからである。
それに、「法律」とは、一般に、国民の人権を制約する「権限」とその政策の実現のために予算を支出する「権限」を、政府に「授権」するものである。
つまり、たとえ「政府に対する義務付け」をあえて法律に書き込んだところで、それに違反(目標の未達成)した場合の原因は多様であるから、政府(政治家たち)に法的なペナルティーを課すことなどはできない話である。
だから、食料自給率の向上はわが国の喫緊の課題であり政府の責務であることは明らかだが、その本質は、あくまでも政府の「政治的」義務である。だから、その成果に不満足な国民は、最終的には、主権者として、その政府を倒すことしかできないと覚悟すべきである。つまり、期待外れの政治に対するペナルティーは「政権交代」である。
これまでの単なる「努力目標」では、仮に、国会で「目標不達成」について野党から質問されても、政府は、「努力しましたが、国際情勢、国内の転作の遅れ、天候不順等の事情により成果が出ませんでした」といった型にはまった言い訳で逃げてしまえる。
しかし、法律上、「年度ごとに成果について国会の審議・承認を得る」と書かれた場合、国会における審議の意義と質が変わり、毎年、その場に向けて政府の努力と国民の関心は高まるはずである。
いずれにせよ、私たち主権者国民がこの問題について関心と発信をやめないことが肝要で、そういう意味で今回の署名運動は大きな第一歩である。
[2023年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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