「農民」記事データベース20210621-1461-06

全国各地で活躍
営農とくらし守る農民連
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税金
仲間で教え合って損しない申告を

 「専従者控除を取ったら、国保税を含め約30万円も節税できた」「農業の赤字が申告でき、所得税が約15万円戻り、住民税が約25万円下がった」など、新しく農民連に加入し、税金申告した会員からうれしい声が届いています。農民連の税金自主計算・自主申告運動の成果です。

 農民連は「売り上げはごまかさず、経費はチリ一つ漏らさず」を合言葉に税金運動に取り組んでいます。農民連の『農業収入・支出記帳簿』を使って経費の漏れを防ぎ、専従者控除(給与)や扶養親族の付け替え、世帯分離をするなど、住民税や国保料(税)も見据えて申告しています。1万円の経費を見逃せば、2500円前後の増税になります。

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奈良県農民連の税金学習会

 申告納税制度 納税額を決めるのは納税者本人

 所得税法は納税すべき所得税額を主権者である納税者自身が決める「申告納税制度」をとっています。納税額は決めてもらうものではなく、自分の経営を最もよく知る納税者本人が所得を計算し、税額を申告することによって確定します。

 農民連の『記帳簿』で経費をもれなく計上

 農民連の自主申告のポイントは、必要経費をもれなく計上することです。経費とは、「総収入を得るために直接に要した費用…これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」 (所得税法37条)です。

 自分の経営は自分が一番よく知っています。家事関連費のあん分割合も本人が決めるのが最も実態に合っています。経費をもれなく計上するには、「正確な実務」と「記帳」と「学習」が必要です。

 仲間で教え合って、自分が納得できる税金申告

 記帳は、事業者の義務です。『記帳簿』を使って、仲間で教え合いながら記帳すれば、簡単に所得を計算できます。納税だけでなく、自分の経営を把握し、経営改善に役立てるうえでも大切です。

 JAの記帳代行や税理士事務所は便利で楽に思えますが、人任せです。自分で納得して提出した税金申告は、税務署に対しても自信を持って対応できます。

住民税、国保税、介護保険料も安く

 家族経営守る申告 社会保障費も軽減

 農家は所得税だけでなく、社会保障負担が生活に重くのしかかっています。農民連は家族全体の課税負担を軽減する立場で税金申告に取り組んでいます。住民税、国保税、後期高齢者医療保険料などは、確定申告の農業所得、または他の所得との「合計所得金額」(申告書B(12))に連動します。所得控除後の「課税される所得金額(30)」ではありません。所得税がゼロでも経費を漏れなく計上することが重要です。

 赤字の農業所得の申告で、 税金の軽減・還付も

 兼業先や年金などで源泉徴収税が天引きされている人は、農業所得が赤字の場合、兼業所得や年金と合算(損益通算)して計算し直し、確定申告すると、税金が少なくなり、天引きされていた税金が戻ります。住民税や介護保険料・利用料、医療費の自己負担なども軽減されます。

 さらに農民連の『税金対策の手引き』には、農家の暮らし全体を守る知恵とポイントを紹介しています。『記帳簿』とあわせて活用しましょう。

 『手引き』『記帳簿』ともに、会員以外は非売品です。農民連に入って損をしない税金申告に取り組みましょう。

         □ >>〔次ページ〕

(新聞「農民」2021.6.21付)
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2021年6月

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