ネオニコ使わない取り組み
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そこで今回は市販の米の残留農薬をLC/MS/MSで検査しました。
検査結果は表と図の通りです。何らかの農薬の残留が検出されたのは294検体中の36%(107検体)。日本の残留基準値はもちろん、使用規制が厳しいEU(欧州連合)の基準値を超えるものもありませんでした。
残留が検出された中身を見ていくと、ネオニコ系農薬が63%を占め、ネオニコ類似農薬まで含めると7割をこえます。特に多いのがジノテフラン。三井化学が開発したネオニコ系農薬で、「スタークル」「アルバリン」等の商品名で販売されています。野菜のコナジラミやコナカイガラムシ、カメムシなどの防除に使用。米の等級を下げるカメムシの防除に使用されたものが残留していると考えられます。
一方で、ミツバチの大量死との関係性が指摘され、近年では人体やその他の生物への影響も指摘され始めています(下記記事参照)。ヨーロッパなどでは、フランスを皮切りに、使用禁止とする動きが進んでいます。
世界の流れを受けて、生産者の中にも、「このままでいいのか」と、やり方を見直す動きが始まっています。
国の「農産物規格規程」によると、この斑点米を含めた着色粒が0・1%を超えると、1等から2等に等級が下落、0・3%を超えると3等まで落等してしまいます。2等になると60キログラム当たりの価格が300〜1000円、3等では1300〜2000円(JAによって異なる)も下がってしまいます。生産費を賄うことすら難しい低米価のなかで、この価格差は大きく、米農家にとってカメムシ防除は欠かせません。
こうした背景があり、ネオニコ系農薬は有機リン系農薬の後継として「少量で効果が持続し、環境にも生物にも影響しない」という宣伝で、国内での使用が広がっています。国も残留基準の緩和を行い、使用の後押しをしてきました。
しかし、人体や環境への影響が取りざたされ、世界で規制が進む今、ネオニコ系農薬に頼らないカメムシ防除を考えるときです。
[2020年7月]
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