「農民」記事データベース20170206-1249-10

農民連第22回大会への
常任委員会の報告
(大要)
(5/5)

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討論のまとめ

 討論のまとめを行います。

 発言通告は61人、うち6人の方については文書発言とさせていただきました。

 55人から発言があり、34都道府県・団体、76人の方から発言をいただき、どの発言も、現場の実情に基づいた地に着いた発言で、決議案を豊かに補強するものでした。

 感動を呼んだ若い人の発言

 顧問の坪井貞夫さんからは「若い人たちの発言が続き、感動の大会であり、何か新しい飛躍を感じる大会となったと思います」と感想を寄せていただきましたが、このことは共通する思いではないでしょうか。

 大会決議案は「3・11以降、農的生活に踏み出す青年が増えていることは大きな希望です」と指摘しましたが、大阪、奈良、山形、愛媛などの発言からもいきいきと語られました。「一方、3割近くが離農しており、ここへの働きかけが大切」とも指摘しましたが、山形の渡辺康貴さんから「農業に展望を見いだし、建設業界、IT業界、青年企業家など、他産業からの新規就農が多いが、やってみるとなかなか情報が集まらない、農地が見つからない、販路が見つからないなど、うまくスタートが切れない人がけっこういる、これらの人たちを救い上げることも大切ではないか」との発言がありました。

 新規就農者確保のとりくみ

 一方で、新規就農者確保の様々なとりくみが発言されたのも、今大会の特徴でした。大分の佐藤隆信会長の潮トマトの栽培を通じて、他産業からの青年を受け入れ、独り立ちさせている経験、多古町旬の味産直センターの「ゆうふぁーむ」のとりくみ、奈良・北和センターの法人を立ち上げて、就農希望者と後継者を求める生産者とのマッチング事業、ソーラーシェアリングで安定した農外収入を得ての新規就農など、様々なとりくみが発言されました。これらのとりくみを全国で学び、実践しましょう。農民連・ふるさとネット共催で3月末に「担い手づくり」現地交流会を行います。大いに参加しましょう。

 青年就農者への働きかけを強めましょう。新規就農者は、生産技術、施設・機械、販路、経営管理・税務対策、ネットワークづくりなどの切実な要求を持っています。農民連の働きかけを待っています。

 TPP反対の共同を地域守る共同へ発展させ

 TPP反対のたたかいで、全国で多様で柔軟なとりくみが広がっている発言が多く出されました。一方でTPPが一区切り付いた、TPP反対の共闘会議は今後どうすればいいのかとの率直な疑問も出されました。昨日の来賓のあいさつにもありましたが、「TPPを批准させない全国共同行動」は、「TPPを発効させない全国共同行動」と名称を変え活動すると同時に、情報共有しながら、日EU・EPA(経済連携協定)や日米FTA(自由貿易協定)への警戒を強めることとしています。また、せっかくの地域での共闘を、地域を守る共同へと発展させることが求められています。

 北海道の石澤元勝さんが、「指定団体制度」の果たしている役割を具体的に発言され、規制改革推進会議のデタラメぶりと弱肉強食の世界から共同で農家の生活を守る協同組合の役割を浮き彫りにしてくれました。

 戸別所得補償の復活に農協も次つぎと賛同

 農業者戸別所得補償制度の復活を求めるとりくみについて、山形の小林茂樹会長から「参院選での野党統一候補の勝利で地方議会にも大きな変化が生まれ、民進党と共産党の議員がそろって紹介議員になってくれ、3市町の議会で全会一致で採択されました。秋の臨時国会に向けて、全国で3月議会請願にとりくもう」との提起がありました。また岩手の昨秋のグリーンウエーブ行動での農協訪問の際に、「戸別所得補償の復活は農協が取り組むべき課題だ」との賛同が寄せられたと発言されました。2018年問題を前に多くの農民が不安を抱えているとともに、戸別所得補償の復活を切望しています。個人署名・議会請願にとりくむとともに、来る総選挙の一大争点に押し上げましょう。

 「勝利の方程式」に答え出そう

 来賓あいさつで、全国革新懇の五十嵐仁さんが「『勝利の方程式』を流行語大賞にしよう」と切りだしたあと、「これはあくまでも方程式、それに数字を入れて答えを出すのはあなたがた国民だ」と呼びかけられました。

 昨年の参院選での野党統一候補勝利に向けた福島・安達地方農民連のたたかい、新潟の参院選・県知事選のたたかい、沖縄での先の総選挙で4つの小選挙区すべてで「オール沖縄」候補が勝利したたたかいなどが発言され、これらのたたかいを全国295の小選挙区で挑戦し、「勝利の方程式」に数字を入れ、答えを出そうではありませんか。

 ひびき合う発言相次ぐ

 小さな県連組織の奮闘が、目立ったのも今大会の特徴でした。80歳になる佐賀の古川文一会長の「大会決議を読んで感激、『やらんばいかんぞ〜』と気持ちの高ぶりを感じた」「2年前に農民連に入り会長になった。1月29日には税金の学習会に100人を集めようと声をかけ、その中で会員拡大をした」との発言は、みんなに勇気と元気を与え、60代、70代の代議員の「まだまだがんばる」の決意を促しました。

 三重の峯岡繁さん、香川の福井利夫さんも新しく県連事務局を引き受けて以降、新聞を減らさず増やし続けるとともに、農家の多い地域に意識的に読者を増やし、要求で結びつき支部を作ってきました。鳥取では十数年ぶりに大会を開き役員体制も確立し、新たな前進を始めています。福島から「2020年までに2000名の県連を目指す」との力強い県連事務局長の発言を受けて、「地域丸ごと農民連に、農協が大型合併にむかうなか、県北農民連を分割して、地域に根ざした農民連を作る」との発言もありました。奈良からは、広域単組が大きくなるなかで、市町村単位の支部の活性化にとりくんでいるとの発言もあり、大きな組織の停滞を打ち破る新たな模索が始まっています。全国一丸となって、後退傾向に歯止めをかけ前進に転じましょう。

 「春の大運動」の成功へ固い決意

 最後に、今日から3月末までを春の大運動として提起します。

 春の大運動は、1年間の拡大運動の成否を左右します。大会参加者が拡大チャレンジャーとなり、春の大運動を成功させましょう。

 顧問の佐々木健三前会長から、感想と決意が寄せられました。

 「討論はそのすべてが立派な内容で、感動で目頭が熱くなる場面もありました。発言者の多くは、若い皆さんであったこともうれしい限りです。そこで私の決意を述べます。(1)新聞『農民』に通信する(2)新聞『農民』と会員を拡大する、若い人のがんばりに応えて、わらわれの仕事とそれにふさわしい貢献をする決意です」

 みなさん、この決意に応え、春の大運動を成功させる決意を固めあいましょう。

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(新聞「農民」2017.2.6付)
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2017年2月

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