「農民」記事データベース20160620-1218-10

食料自給率の向上、
家族経営支える農政に転換を
(4/4)

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主要国は生産費基準に価格保障
せめて欧州並みの保障を

 世界の主要国は、生産費をもとに農産物価格を保障しています。

画像  アメリカの仕組みは(1)生産費と市場価格の差額を国家予算で補てんする「不足払い」と、(2)暴落の時に政府が買い支える「価格支持融資」の二本立て。これによって、どんなに暴落しても、アメリカの農家は生産費の9割が保障されています。

 ヨーロッパ連合(EU)は、価格低落時に買い支える制度をしっかり維持し、直接所得補償を組み合わせて、生産費を基準に農産物価格を保障しています。

 日本政府はWTO(世界貿易機関)スタート以来、食糧管理法を廃止したのを手はじめに、価格保障制度を次々に廃止してきました。

 (1)生産費を基準にしない、(2)下がる一方の市場価格を基準にして、農家に採算割れの価格を押しつける、(3)そのうえ農家に拠出金を負担させる――こんなやり方をしているのは日本だけ。

 価格保障を実施せずに、日本の農業生産全体の1%程度にすぎない農産物輸出をしたところで、農家の「所得向上」など、できるはずがありません。

 せめて欧米並みの生産コストを保障する政策の実現こそが必要です。

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(新聞「農民」2016.6.20付)
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2016年6月

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