「農民」記事データベース20160620-1218-08

食料自給率の向上、
家族経営支える農政に転換を
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安倍政権で続く米価暴落
TPPでさらに輸入米拡大

 第2次安倍内閣の発足と同時に始まった米価暴落。2014年産米は40年前の水準にまで暴落し、米農家に塗炭の苦しみを押しつけ、大規模経営の農家が自ら命を絶つ事例さえありました。

 安倍内閣は対策を求める農民の要求を冷たく拒否し、対策をとらないばかりか、戸別所得補償の固定払い(10アール1万5000円)の半減や廃止、米価下落補てん給付金も廃止してしまいました。

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安倍農政に負けずに田植え(宮崎市)

 市場任せ政策暴落の最大要因

 主食の米の需給と価格の安定に対する責任を投げだし、市場任せにしてきた安倍内閣の政策こそが、米価暴落の最大の要因です。

 低米価に対する農民・国民の怒りを前に、政府は非主食用米、とくに飼料用米の生産への誘導をがむしゃらに進めています。この結果、15年産米価は前年比で110%程度まで回復しましたが、依然として生産費を大幅に下回る低水準にあります。

 政府は「ナラシ」対策への加入を進めていますが、暴落しっぱなしの市場価格との差額の補てんではとうてい経営は維持できません。

 アメリカのため国内の米つぶし

 さらに許しがたいのは、TPP大筋合意で輸入米の拡大を受け入れたことです。

 MA(ミニマムアクセス)米77万トンとは別に新たに8万トンのアメリカ・豪州産米の輸入枠を設け、さらに従来のMA米の枠内で、アメリカ産米を想定した中粒種・加工用枠6万トンを新設。アメリカ産米だけで年間50万トンにもなり、秋田県の生産量と肩を並べることになります。

 また、外米輸入は85万トンとなり、九州全体の主食用米の生産量よりも多くなります。

 国内の生産者には生産量を毎年8万トンずつ削減させる一方、TPPで外国産米輸入を8万トン増やすというのです。苦渋の選択で飼料用米への転換などにとりくむ米農家の努力をあざ笑い、冷水を浴びせる仕打ちです。

 アメリカのために国内の米生産をつぶし、「米は国産で」という国民の切実な願いにも逆行する政策は絶対に許せません。

 アメリカべったりの「売国農政」、逆立ちした安倍内閣の米政策を根本的に転換させる絶好の機会が今度の参議院選挙です。

(新聞「農民」2016.6.20付)
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2016年6月

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