「農民」記事データベース20160502-1212-12

遺伝子組み換え(GM)不使用のはずが…
コーンスナック菓子などからGMを検出
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遺伝子組換えが検出されたのは
原料の非組換えコーンに
GMコーンが交雑・混入したため

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠 啓祐さん

画像  日本では、消費者の多くが遺伝子組み換え(GM)食品を食べているという認識が薄いのが現実です。それは表示義務のある食品が、豆腐、納豆、みそ、コーンスナック菓子などわずかで、ほとんどの食品に表示義務がないからです。表示義務がない食品の場合、そのほとんどにGM原料が用いられています。

 表示は任意表示

 表示義務のある食品では「遺伝子組み換えでない」という表示が目立ちます。分析を行ったコーンスナック菓子でも目立ちます。では「遺伝子組み換えでない」表示がない場合はどうでしょうか。表示義務のある食品の場合、GM原料を用いた場合は、必ず「遺伝子組み換え」を示す義務があります。しかし「遺伝子組み換えではない」表示は任意表示であり、つけてもつけなくてもよいのです。そのため表示がない場合もGM食品ではなく、日本ではこれまで表示義務のある食品でGM食品が販売されたケースがほとんどありません。

 今回検査を行ったのは、表示義務のあるコーンスナック菓子ですので、「遺伝子組み換えでない」表示のものはもとより、表示のないものもすべてGMコーンを原料に用いていません。しかし、いくつかのお菓子でGMコーンが検出されました。どうしてでしょうか。

 GM作物は輸入

 日本ではメーカーは、「遺伝子組み換え」表示を避けるために、スナック菓子に用いるコーンには遺伝子組み換えでないものを輸入するか、GM作物を栽培していない国内産を用いています。お菓子のような加工食品の場合、原料原産地表示が必要ありません。そのため多くのものに原産地が示されておらず、どこの国から輸入したものか分かりません。現在、その多くのコーンが米国からきているといえます。

 GMコーン栽培国で作られているのは、大半が飼料や油、コーンスターチ生産用のデントコーンです。お菓子でよく用いるスイートコーンは、米国内での反対も強くGM品種は少なく、わずかに生産されているだけです。

 米国産は迂(う)回

 そのため、検出されるケースは、何らかの形でGMでないスイートコーンと、デントコーンとの交雑・混入が起きたケースだと考えられます。最も考えられるのは、デントコーンの花粉や種子の飛散による汚染や、輸送途中での混入などです。「遺伝子組み換えでない」という表示で、GMコーンが入っていたら消費者は裏切られたと思うでしょう。

 またGMコーンを生産していない国から輸入したケースでも、GMコーンが検出されるケースがあります。米国産コーンが、輸出先を迂回して日本に入ってきてしまったり、輸出先で混じって日本に入ってきたりするケースがあるからです。


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愛知・津島市 桜井久美子

(新聞「農民」2016.5.2付)
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2016年5月

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