「農民」記事データベース20160411-1209-11

国会決議・自民公約違反の
TPP批准阻止
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絶対に発動されない
セーフガード

 牛肉の関税を38・5%から9%に大幅に引き下げるうえに、73%もの牛肉調整品を関税ゼロにするにもかかわらず、安倍首相は「新たにセーフガードを設けるから大丈夫」と大見えを切っています。

 輸入が急増した時に一時的に関税を引き上げるのが「セーフガード」ですが、TPP版セーフガードはインチキな空手形です。

 国内生産が崩壊寸前の状態にならなければセーフガードは発動されません。

 セーフガードが発動されるのは輸入量が74万トンを超えた時。

 牛肉の需要量が現在と同じ87万トンとすれば、自給率が現在の42%から、10年目で20%以下、16年目で15%以下に落ち込まなければ発動されないのです。

 しかも、発動基準は10年目で現在の輸入量の1・35倍、16年目は1・43倍。

 10年目の輸入が9%増えれば発動できる日豪FTA(自由貿易協定)とは大違い。

 WTO(世界貿易機関)農業協定にはもう少しマシな「特別セーフガード」がありますが、TPPはこれを禁止しています。豚肉もほぼ同様です。

 要するに「発動しない」ためのセーフガードです。

 政府に弁解の口実を与えて「セーフ」(政府)を「ガード」する役には立っても、牛肉・豚肉生産を守るうえでは何の役にも立ちません。

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高知市郊外では3月下旬から田植えが始まっています。TPP批准阻止の決意にも力が入ります。(高知県農民連 中越吉正)

(新聞「農民」2016.4.11付)
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2016年4月

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