「農民」記事データベース20160201-1199-11

農村からTPP反対、戦争法廃止の声を
参院選で安倍暴走政権を追いつめよう
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2016年1月14日
農民運動全国連合会常任委員会

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2、米を守る運動

 (1)全国各地で「米を守る大運動」の展開を

 政府は米消費が毎年8万トン減少し続けるという前提で、毎年の基本指針を策定し、米価維持のためには生産者自らが主食用米の生産を減らし続けろという政策を押し付け、飼料用米生産や輸出に活路を見いだせとしています。

 いま、日本の文化・食文化を育んできた、お米・稲作農業が存亡の危機にあるといっても過言ではありません。

 さらに、安倍首相は根拠のない「所得倍増」を唱え、農水省は、コスト4割削減という非現実的な目標を掲げ、ひたすら不毛な「構造改革」に稲作農家を駆り立てています。

 物財費さえ確保できない価格では、どんな経営努力を講じても経営は維持できないことは言うまでもありません。そのしわ寄せが、政府が誘導してきた大規模経営や集落営農組織等の担い手層の経営に集中し、経営の展望を失って自ら命を絶つ事件まで起きています。また、農地集積した大規模・法人経営等による農地返却が相次いでおり、耕作放棄がさらに進むことが懸念されます。

 このままでは、米は誰がつくり続けるのか、日本は稲作農業を失ってしまいかねない事態です。

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石川県農民連と新婦人とのイモ掘り交流会=2015年10月

 日本の食文化の基礎をなす「お米」を守るための国民的議論をまきおこすとともに、学校給食等での米飯給食の拡大や、米の消費拡大を含めた国民的な大運動が、今求められています。

 米の再生産が根底から崩されようとしている中で、多くの国民に米生産の現状の理解を広げ、地方自治体への要請運動を強める必要があります。

 昨年は、主婦連合会と日本米穀小売商業組合連合会(日米連)を訪問し、「国民の主食・米の再生産を維持するため」の要請・懇談を行ってきました。

 引き続き、米穀卸の団体である全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)や流通業者団体、消費者団体、食糧部会の委員などへの要請・懇談を行い、「米を守る大運動」を国民的な運動へと高め、政府に米政策の転換を要求する運動を強めましょう。

 (2)多様な米作り、多様なとりくみで生産を守ろう

 政府は来年度以降も需給改善のための飼料用米の拡大を進めようとしています。備蓄米は2年間続けた25万トン買い入れを20万トンに戻すとして、2017年産は22万5千トンの買い入れ枠としています。

 生産費を基礎にした価格保障政策の実現を求めることともに、当面、国の制度も活用することにより、生産を確保していくとりくみが大切です。

 (1)安全安心の農産物を求める消費者に確実に届けるため地域で仲間づくりを広げよう。

 (2)新たな情勢のもとで米業者との事前契約の形を追求しながら大いに増産を呼びかけよう。

 (3)2015年産の経験を生かし、飼料用米についても条件のあう地域でとりくみを進めよう。

 (4)条件のある組織では備蓄米にもとりくもう。本部から必要な情報提供を行います。

3、原発事故の賠償請求、被災地を復興させる運動

 賠償を打ち切ろうとしている政府と東電の態度は絶対に許されません。加害者責任を明確にさせて全面賠償を勝ち取るために全力をあげましょう。福島でとりくまれる「20mSv受任論に反撃する新聞広告」運動を支援しましょう。

 各地の損害賠償運動では、事実を積み上げADR(裁判外紛争解決手続)の活用も視野に、「原発事故の前に戻せ」「完全賠償を行え」の運動を粘り強く進めましょう。

 引き続き、東日本大震災被災者への支援活動に全国の力を結集してとりくみましょう。

 また、異常気象・災害は全国どこでも起こりうる状況になっています。今後も災害発生時は、地元組織と協力しながらいち早く現地に駆けつけ、全国に状況を伝え、支援を呼びかけていきます。

4、消費税増税中止、自主申告運動の発展を

 (1)消費税増税を中止させる運動

 安倍首相は、食料品への「軽減税率」を導入し、2017年4月には消費税10%への再値上げを断行しようとしています。「軽減税率」は食料品の8%への据え置きであって、全体で4・4兆円の大増税であることに変わりはありません。消費税を販売価格に転嫁できない農家にとって消費税増税は死活問題であり、売り上げ8%、仕入れ10%ではますます農家は苦しくなります。

 10%への増税は、国民の暮らしを直撃し、2014年4月からの8%への増税で疲弊した経済をさらに冷え込ませ、日本経済と国の財政を破たんさせるものにほかなりません。消費税に依存しなくても不平等税制を改めて大企業と富裕層への応分な課税によって財源をまかなうことは可能です。農民連はこの間、消費税廃止各界連絡会に結集し、全国各地で増税反対の世論と共同を広げてきました。引き続き、消費税増税阻止、廃止をめざして運動を進めます。

 (2)自主計算・自主申告運動と3・13重税反対行動について

 税務行政は、行政文書の乱発や、行政文書に納税者を脅す文言の挿入、呼び出し調査などを組み合わせ、納税者の権利を無視した徴税攻勢を強めています。

 農民連の自主申告運動は、憲法と税法に則り、申告納税制度の大義に則った運動であり、社会正義の実現そのものです。倉敷民商に対する税理士法違反を口実にした弾圧が行われていますが、弾圧に強く抗議するとともに、弾圧や不当判決に萎縮することなく、確信をもってますます外向きの自主申告運動に打って出て、仲間を増やすことが、最も重要な反撃です。自主申告運動の原点を貫き、強く大きな自主申告運動の発展をはかりましょう。

 このような税金をめぐる新たな情勢と、農家の税金に対する関心や要求が高まっているなかで、確定申告期の「春の大運動」のとりくみは重要です。記帳簿を前面に、農家の多様な要求で結びつきのある農家に働きかけて会員に迎え入れましょう。所得税だけでなく、国保税、損害賠償請求、生産や販売、準産直など、多様な要求を掲げ、農民連の存在と要求運動を大量宣伝で広く知らせ、結びつきを広げましょう。きめ細かく地域で「相談会」を開きましょう。「春の大運動」を大きく前進させ、「3・13重税反対行動」を成功させましょう。

 (3)マイナンバーの廃止を要求して

 マイナンバー法が2015年10月5日から施行され、市区町村から「番号通知カード」が送付されています。共通番号の導入によるメリットはほとんどなく、逆に、個人情報を国が集めて行政一般に利用するプライバシー侵害、情報漏えい、「なりすまし」被害などがもたらされる危険性は計り知れません。

 一方、国にとっては税務署など行政機関がそれぞれ持っている個人情報を共通番号でつなげて管理することができるようになり、税・社会保険料の徴収強化や社会保障給付の抑制などに使えます。

 政府は、幅広い個人情報を集めるため、利用対象の拡大をねらい、健康保険証との一体化などさまざまな機能を持たせて、保有者を増やす計画です。しかし、個人情報が集まれば集まるほど、国による管理が強まり、漏えい時の被害も甚大で不正取得の標的になる危険も高まります。

 税務署では「申告書にマイナンバーの記載がないからといって不利益を与えることはない」と答えています。一方で従業員のマイナンバーの管理には厳密さが要求され、漏えいした際は罰則もともないます。単組や支部・班で新聞「農民」の「浦野税理士のインタビュー」を大いに学び、議論を深め、マイナンバー制度の廃止を求める運動を広げましょう。

(新聞「農民」2016.2.1付)
ライン

2016年2月

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