「農民」記事データベース20160201-1199-10

農村からTPP反対、戦争法廃止の声を
参院選で安倍暴走政権を追いつめよう
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2016年1月14日
農民運動全国連合会常任委員会

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 (2)地域から生産を守る運動を

 農村は個々の農家だけでその地域を守ることはできません。大規模農家が倒れると耕作放棄地が一気に広がる危険性もはらんでいます。地域の助け合いを基礎にした生産、農地維持、集落のコミュニケーションを維持するとりくみが必要になります。中山間地直接支払い、多面的機能支払い、耕作放棄地対策事業などの運営に農民連の会員が積極的にかかわり、「持続可能な農村」を提案していくことが重要です。

 家族経営が持続的営農の基礎であることは明確です。しかし、地域の保全・維持には「集団」の力が必要となります。耕作者がいない農地の管理、農作業の効率化にあたっては、多様な助け合い組織が必要になってきます。

 今後、各単組レベル、支部レベルで助け合い組織の設立を検討しましょう。どうしても離農せざるをえない会員をそのまま放置せず、その対策を講じましょう。

 (3)運動と事業を両輪にした産直運動のさらなる発展を

 農民連は多様なテーマで幅広い共同運動を発展させていますが、他の階

層にはない大きな特徴は、農民の生産した農産物への信頼を基礎に、多くの国民に消費してもらう合意を広げる運動ができるということです。輸入農産物がさらに拡大されようとしている今、“農民連運動の戦略的課題”に「国民諸階層との社会的連帯」を太く据えて多様な産直運動を発展させることが求められています。

 学校や保育園給食を“食農教育”として重視し、大都市の学校に全国ネットワークを生かして食材を提供するとりくみや、多様な地産地消のとりくみ、新婦人産直のさらなる発展、可能な団体との新たな産直の開拓、市場の活用、組織内産直など、あらゆるとりくみに挑戦しましょう。

 こうしたとりくみを進めるうえで農民連ふるさとネットワークの役割はますます大きいものがあります。

 (4)食の安全を守る運動と農民連食品分析センターの20周年強化募金の成功を

   (1)食品分析センターの機能を強化する意義
 アメリカはTPP交渉以前から、日本に対して食の安全基準の緩和を要求し、使用農薬や食品添加物の拡大、検査の骨抜き、遺伝子組み換え食品の輸入拡大と表示の是正などを繰り返し要求してきました。

 日本政府は、アメリカの要求に押され、食品表示制度や残留農薬基準を緩和するなど、農産物や加工食品の輸入をしやすくする体制を整えてきました。TPP「大筋合意」や日米協議で、「衛生植物検疫措置」(SPS)では「貿易の不当な障害にならない」ことが大前提となり、国内措置が取り払われようとしています。また、遺伝子組み換え表示等については作業部会で協議するとしており、国民の知らないところでアメリカの要求がゴリ押しされる可能性があります。

 また厚生労働省が2015年5月19日に、世界的に議論が高まっているネオニコチノイド系農薬の残留基準を、アメリカやEU(欧州連合)の基準よりも緩和したことは重大です。

 これは、農産物やその加工品を「より輸入しやすくした」もので、TPPと軌を一にしたものといわなければなりませんが、基準緩和に対して「日本の農薬使用量は世界一」などという宣伝が強まっているように、「国内産は安全なのか」という攻撃になろうとしています。

 TPPをはじめとした経済連携の流れの中で、食品分析センターの機能を強化して安全・安心な農産物を生産し、国民と深く結びついて消費してもらう態勢を、これまで以上に広げることは待ったなしの課題となります。

   (2)TPPに反対する運動と並行した運動的募金活動を
 “TPPや輸入農産物を跳ね返して生産を守る”決意を込めた農民連食品分析センター強化募金を呼びかけた直後から大きな反応が寄せられていることは期待の大きさを示しています。

 募金運動をTPPに反対する運動の一環として位置付け、全ての農民連組織が「募金リーフレット」をもとに分析センター強化募金の意義を話し合い、全ての会員に協力を呼びかけましょう。

 TPPに反対する運動を担っている団体や個人など、広範な人々に「募金リーフレット」を持ち込み、協力を呼びかけましょう。本部は中央段階の労組や市民団体への協力の申し入れを開始しました。都道府県連や単組でも広範な団体に足を運んで協力を呼びかけましょう。

   (3)食品分析センター20周年記念事業
 農民連食品分析センターは2016年6月に創立20周年を迎えます。この時期を目途に新たな分析機材を導入するとともに、これまでご協力くださったみなさんをお招きして記念レセプションを開催します。

 (5)食糧主権を対置して

 日本の農地の人口扶養力は1ヘクタール約10人で、アメリカ(0・9人)、フランス(2・5人)を大きく上回っています。農業生産の1%たらずにすぎない「農産物輸出」に唯一の活路を求め、大多数の農民を追い出して企業参入に道を開くことに血道をあげるTPP版アベノミクス農政は、こういう日本農業の底力を瓦解(がかい)させかねません。農民連はTPPを断固阻止し、農政の根本的な転換のための3点セットの実現を要求します。

 ★農産物の輸入をコントロールせよ、TPP交渉から撤退せよ

 ★欧米では当たり前の生産費を償う価格保障と所得補償を組み合わせた経営安定対策を

 ★若い担い手の確保、定年帰農の支援など、すべての農家を担い手とした老壮青のバランスのとれた農業構造をつくれ

 この方向こそが世界の流れであり、食糧主権を実現する道です。

W 農業と農家経営を守るとりくみ

1、新婦人会員との産直

 新日本婦人の会と農民連が協力して練り上げた「新婦人と農民連が応援する産直運動 あらたな共同目標」の方針に基づいて、各地で農民連と新婦人の交流や協議が進められ、とりくみが多面的に発展する方向が切り開かれつつあることは重要な前進です。中央段階でも「定期協議」が行われ、「産直わくわくニュース」の共同発行などの努力が行われています。

 「あらたな共同目標」を産直に取り組むすべての組織が共有し、とりくみを前進させるための話し合いや学習、交流を強めましょう。

(新聞「農民」2016.2.1付)
ライン

2016年2月

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