「農民」記事データベース20151026-1187-11

TPP「大筋合意」
「最終」でも「決着済み」でもない
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TPP拒否 ヤマ場これから

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厳しい関税削減
“セーフガード廃止”強い危機感

全国肉牛事業協同組合理事長 山氏徹さん

画像  私たちは、民主党菅政権が参加を検討し始めた当初から、このTPP問題は日本の農業にとってたいへんなことになるとの強い危機感を持って、情報収集もし、反対の声も上げてきました。

 大筋合意については、現在38・5%の関税を15年で9%にするという厳しい関税削減だけでなく、結局はセーフガードが廃止となることに強く憤りを感じています。先日、茨城県で鬼怒川が決壊しましたが、そのうち一カ所はソーラーパネル設置のために堤防を削ったことによる人災といわれています。セーフガードはいってみれば川の堤防のようなもの。その堤防(セーフガード)が人の手によって下げられてしまった。ひとたび決壊すれば、これは牛肉だけにとどまらない影響が及ぶと考えます。

 日本の畜産は家族経営が主体であり、中山間地を含めて地域に人が住むことで、地域や環境が守られているのですから、家族経営が今後も経営を続けていけることが大切だと、私は思います。

 後継者難が叫ばれていますが、環境が整えば畜産をやりたいという若者はたくさんいます。農業の魅力は決して捨てたものではないのです。いま畜産農家を苦しめているのは、飼料などの高コスト体質と、資金問題です。後継者や新規就農者を含め、畜産を続けられるように、予算がないからと打ち切られるような一時的な対策でなく、長期的な対策が必要だと思います。

(新聞「農民」2015.10.26付)
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2015年10月

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