「農民」記事データベース20081117-853-08

たたかいと希望を グローバル化しよう(1/3)

ビア・カンペシーナ第5回国際総会

関連/今こそ食料主権確立、民衆の団結と闘争を
  /たたかいと希望を グローバル化しよう(1/3)
  /                  (2/3)
  /                  (3/3)
  /小規模農業と食糧主権は、世界危機の打開策(上)


食糧主権を憲法に盛り込んだ国々代表と
農民連代表が親しく交流

 ビア・カンペシーナ総会の成果をまとめた「モザンビーク宣言」は、食糧主権をめぐる世界の動きについて、次のように述べています。

 「2007年にマリで開いた食糧主権国際フォーラムは、食糧主権のための広範な世界規模の運動を構築する重要な基盤になった。フォーラムの前後、世界・地域レベルで食糧主権についての会議が多数開かれた。これまで、エクアドル、ボリビア、ネパール、マリ、ニカラグア及びベネズエラの憲法あるいは法律に『食糧主権』という概念を組み込ませることに成功している」

 総会の合間をぬって、エクアドル、ボリビア、ベネズエラの仲間たちと交流しましたが、意気軒高ぶりに圧倒されました。短時間の交流を紹介すると――。
画像
総会に参加した真嶋さん、武田さん、杵塚さん、工藤さん(左から)

ボリビア

来年に草案賛否の国民投票
新憲法必ず勝ち取る

画像 来年1月に食糧主権を盛り込んだ憲法草案の国民投票が行われる南米・ボリビアの農民組織の一つ、CSCBのリーダー、アリエル・ヤネス氏。エボ・モラレス大統領が8月に行われた国民投票で67%の支持で信任された喜びを表す「EVO67%」と書かれたバッジをプレゼントしてくれ、次のように語りました。

 「なぜ私たちは、新しい憲法のためにたたかうのか?それは、今の憲法が私たちを排除してきたからだ。これまでボリビアには、主権というものが存在しなかったため、私たちには、天然資源や資産に対する権利がなかった。そのため、世界の中でボリビアの貧困率は、非常に高い。

 だからこそ私たちは、農村から立ち上がっている。私たちは、今の憲法を新しい憲法に置き換える。少数派が経済をコントロールする時代は終わった。私たちは、このたたかいが勝利するまで続けていく。そのためには順序を経て前進していく必要がある。新憲法を施行させることは、このたたかいの一つだ。

 農村に住む10人中7人が、今の大統領を支持している。ボリビアの歴史上、このように絶大な支持を受けた大統領は存在しない。これは歴史上とても重要な意味を持っている。

 私たちの国を守るためにも、変革が絶対に必要だ。エクアドルではすでに新しい憲法が施行されている。私たちもボリビアで新しい憲法を勝ち取ってみせる」

 ボリビアからは、これまでビア・カンペシーナ国際調整委員を務め、現在は首相に就任しているダミアン・ヘレナさんも総会に参加。典型的なインディカ衣装に身を包んだ彼女は、私たちの話し合いをニコニコ笑って聞いていましたが、せっかくの機会なので、記念にパチリ。

画像

写真上、一番左がヘレナさん

エクアドル

食糧主権明記の新憲法
実現できる法律つくる

 同じ南米のエクアドルでは、総会の半月前の9月28日に行われた国民投票で、食糧主権を明記した新憲法が賛成64%、反対28%の圧倒的多数で承認されました。

 エクアドルの農民運動のリーダー、ホルヘ・ロール氏は「これが新憲法だ」と誇らしげに小冊子をプレゼントしてくれ、「国民各階層から1250もの提案書が提出され、新憲法案が作られた。今度は、農地改革など憲法を実現する法律を作る番だ」と語ってくれました。

(新聞「農民」2008.11.17付)
ライン

2008年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2008, 農民運動全国連合会