「農民」記事データベース20031215-615-05

農業つぶしの「米改革」許さない

食べたい食べてほしい本物の米(2/5)

関連/展望示さず農民切り捨て
  /来年も106万トン減反押し付け
  /期待込めて出荷式
  /東京の3校訪ね訴え
  /お米屋さんの収穫祭


来年も106万トン減反押し付け

農 水 省

米不作なのに 交付金も14%カット

 農水省は十一月二十八日、来年の減反面積と産地づくり対策の交付予定額を都道府県に配分しました。

 十年ぶりの不作にもかかわらず、今年と同じ百六万ヘクタールの減反を押し付け、減反助成金にかわる産地づくり交付金は一四%カット。備蓄が底をつくのが明らかなのに農家に米を作らせず、古米・外米を食べさせてますます米離れを加速する姿勢を明らかにしました。

 今年十月末の政府米の在庫量は百三十一万トン。しかし作況九〇で米の生産量は需要量を百七万トンも下回ります。しかも在庫米のうち四十八万トンは九六・九七年産の超古米。関東の大手生協が政府古米のブレンド米を販売したところ、古米臭に対する苦情が急増したといいます(「商経アドバイス」11月17日付)。

 政府は“消費が減るから減反拡大もやむなし”と言いますが、農業つぶし・米つぶしが消費者の「米離れ」を作り出し、大手米卸の買い占めと売り惜しみが中小の卸・小売を苦しめています。

 今年の七〜八月の気温は「米パニック」の年を下回りましたが、農家の努力で十年前のような大凶作はまぬがれました。消費者が安心して食べられるお米を、農家も安心して作り続けられる政治こそ求められます。

 ところが、来年の産地づくり交付金は千四百四十五億円で、今年の減反助成金(経営確立助成、とも補償の政府負担分、緊急拡大追加助成)千六百八十六億円から一四%もダウン。しかし政府はこれを「見せ金」に「米改革」を押し付ける腹づもりです。

 一方、「地域水田農業ビジョン」づくりで四苦八苦する市町村。「町では、国の助成を一割減と見込んでいるが、これでは何もできない」という福島・安達町の農業委員、斉藤広二さん。「町独自で転作に千万円の予算を組んでいるのに、国の助成が千三百万円なんてことがあるか!」と怒りを口にします。

 先月二十六日に立ち上げた京都・美山町の「産地づくり推進協議会」でも「かなり少なくなりそうだ」がもっぱらの話題。同町の農業委員会会長代理をつとめる戸本勝友さんは「国は『米改革』で地域農業をつぶそうとしている。そのことを多くの農民に知らせなければ」と語っていました。

(新聞「農民」2003.12.15付)
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2003年12月

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