農業つぶしの「米改革」許さない食べたい食べてほしい本物の米(1/5)
おいしいお米を作り続けたい――。十年ぶりに農村をおそった不作、そして吹き荒れる政府の米つぶし。農民連は、農村でも、街でも、たたかいの輪を広げ、"米を守る" 国民的共同を呼びかけています。
西根町(岩手)でコメ政策考えるシンポ展望示さず農民切り捨て多彩な農業団体から180人 政府への不満・意見次々十一月二十七日、「米政策改革大綱でどうなる地域農業 コメ政策を考えるシンポジウムinNISINE」が、岩手県西根町の町民センターで開かれ、町内外から百八十人が参加しました。主催は岩手郡内の農民組合、農協労組、町村職員組合でつくる実行委員会。盛岡地方振興局農政部、新岩手農業協同組合、西根町、西根町農業委員会が後援しました。パネリストは、雫石町旭台農家組合長の太田勲氏、新岩手農協営農販売部長の久保憲雄氏、盛岡地方振興局農政部農林水産調整主幹の高橋善一氏、農民連の笹渡義夫事務局長。太田氏は「利水事業の借金が続く一方、米価は毎年下落。うちの集落はとても担い手対象になる農家はいないが、この先どうやって借金を返していけばいいのか。たいへんな時期に農家組合長になってしまった」と発言し、共感の笑いと拍手が盛大にわきました。 また、フロアからは米改革に限らず農政に対する様々な不満と質問が出されました。「飯米を二十アール作っているが、これもやめろということか」「担い手以外の『淘汰』された農家はどうするのか」という質問に対して、高橋氏は「機械が壊れた時に、二十アールの田んぼのために機械を買うのはたいへんなこと。七十人の集落ならば五人ぐらいの人に頼んで、あとの六十五人は他の作目に切り替えることも考えなければ」と答弁しました。 また「農協の立場がよくわからない」との疑問に対して、久保氏は「国がめざしている企業経営的なやり方が地域に悪影響を及ぼさないか、政府に対しても問題を投げかけている。しかし、これらの施策にのらないで農業を続けていても展望が見えるのだろうか」と回答。会場からは「国は、何も展望を示さないまま稲作を一部の人に担わせ、大多数の農民を切り捨てようとしている」といった声があがりました。 最後に笹渡氏は「米改革については岩手県が全国の中でも先行して動いている。このままでは、五年後には規模の大小にかかわらず政府が米から一切の手をひくという状況になってしまう。今後もこのような集まりをもって声をあげていくことが大事」と強調しました。 (岩手県連 岡田現三)
米シンポ実行委員会の母体となった「コメを守る岩手郡連絡会」では、月一〜二回会合を開いて米改革の学習や郡内町村の取り組み状況などを交換しています。各町村の農家への説明がまったく不十分なまま、担い手の明確化など集落ビジョン作りが進められていることから、米改革の内容を農家に知らせようと、今回のシンポを企画しました。 郡内の四百五十人の農家組合長や転作組合長に案内を送ったところ関心が高く、「農民連はわかりやすく話してくれる。役所の話はわからない。ぜひ参加する」など、次々と参加を約束。当日は四十人が参加しました。 (西根農民組合 高橋悦郎)
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(新聞「農民」2003.12.15付)
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[2003年12月]
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