「農民」記事データベース20230320-1545-10

さあ統一地方選挙

農業と暮らし守る政治へ、地方から
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学校給食の無償化

大規模自治体での無償化が広がる

市民の声と野党の粘り強さが与党会派を動かし実現へ

 子どもの健康や成長に大きな影響を及ぼす学校給食。物価高騰などで生活が苦しい中、学校給食をめぐる住民の願いや要求は多岐にわたります。

 「給食食材に国産・地場産のものを使ってほしい」「食材費の高騰に伴う給食費の値上がりはやめてほしい」「一食分の質と量を落とさないでほしい」など様々です。そんな中、いま給食費を無償化する自治体が増えています。

 今年2月の日本農業新聞の報道では、小・中学校の給食を実施する全国約1600市区町村のうちの3割、451の自治体が2022年度に無償化を実施しています(小・中学校とも)。そのうちの6割にあたる自治体が、無償化の財源として国の地方創生臨時交付金を活用しています。同交付金が今年3月で期限を迎える中、4月から無償化を継続するための自主財源の確保は、自治体の一つの課題といえます。

 自治体の全体予算に対して、いくらで無償化が実現できるのかを明らかにすることが重要です。

 今年4月から無償化実施を始める茨城県日立市(中学校はすでに先行実施)の日本共産党・千葉達夫議員は「議会の中で、年間予算の1%以下で実現できるということが分かった。そうであるなら、これは政治の姿勢だ、と繰り返し主張してきた」と話します。

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さいたま市で開かれた学習交流会(22年11月)

 中核都市や23区でも市民の声で

 コロナ前から無償化を実施している自治体は、人口規模の小さい町村が多くを占めていました。ここにきて群馬県太田市(人口22万人)や千葉県市川市(同49万人)といった規模の大きな自治体の無償化実施の動きも顕著です。

 東京23区内では、昨年9月に葛飾区(人口46・4万人)が23年4月からの実施を発表して以降、他の区でも実施決定が相次いでいます。世田谷、品川など6つの区で4月から完全実施が始まります(「当面」実施するとしている台東区、中学校給食を無償とする足立区、第2子以降を無償とする練馬区は含まず)。

 人口17・4万人の中央区は、一般会計1483億円のうちの約6億円を新たに計上し、4月から実施する予定です。日本共産党の、おぐり智恵子区議は「お金の問題じゃないと繰り返し議会で訴えてきたが、やはり大きかったのは市民の声です。保護者負担に苦しむ子育て世代だけでなく、多くの方たちが声を上げました。中央区の新日本婦人の会と東京都教職員組合中央支部は、連名で区議長あてに請願を出しました。請願は残念ながら継続審査中ですが、住民の声が与党会派を動かした結果です。そして国や都に対しても要求していくことが大事です」。

 日立市の千葉市議も同様に話します。「周りの自治体も実施していくことで、県や国が取り組むようにさせることが重要です。日立市に住む児童・生徒が他市の学校に通う場合、給食費は有償になっています。やはり国が行うべき政策です」

(新聞「農民」2023.3.20付)
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2023年3月

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