生産する消費者が
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12月の冷たい風が吹く橿原(かしはら)市の田んぼ横の作業場。収穫したサトイモの土落としをする福田弘子さんと山楓美さん。産直センターなどから発注書が届き、いま毎週120キログラム強分を確保する作業に追われる日々だといいます。「間に合わへん」とそれぞれの空き時間を作業にあてます。
出荷作業をする福田さん(左)と山浮ウん |
本格的な野菜づくりの経験がなかった福田さんと山浮ウん。それでも、米づくりを意欲的に手伝う2人を見た山尾さんが話を持ちかけ、3人で「すまいる農園かぐやま」という事業を立ち上げました。互いに数万円出資し、ほ場と機械は山尾さんが準備し、労働時間単価を定め、無農薬の有機でやる、と決めました。「私は作付け計画と機械担当で、草刈りも含めてほとんど2人でやられています」と山尾さん。
1年目の昨年は2反ほどの広さでカボチャとサトイモを作り、カボチャは750玉を収穫。しかし平均重量が軽く、利益を出すまでには至らず、「このサトイモの出荷を何とか頑張れば年間収支ゼロかな。実際にやってみて、日本の農は大丈夫なの?」福田さんは話します。それでも2人の会話は軽快です。「根菜やればもうかるでって山尾さんが言うからはじめたのにな」「おかしいな」と笑います。
福田さんは「植えた1つの種芋が大きくなってたくさん実をつけて、野菜の生命力ってすごいなと。ちゃんとそれを取って、皆さんにおいしく食べてもらいたい。それが原動力ですね」。山浮ウんも続きます。「一緒に作業した子どもが『これ、自分で食べる』と言ってくれたり、近所の方に『おいしかったよ』と言ってもらえるとうれしい」
収穫した無農薬カボチャ
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山尾さんは言います。「高齢の人たちが農地を何とか耕している状態。各地域ですぐに担い手、自立した有機の農家を育てないと。今年は一気に5枚田んぼ増やして、サツマイモと秋ジャガやる予定。2人も規模拡大したい言うてますから」
「言うてない!」「山尾さんの妄想や!」。2人の軽快なツッコミが入ります。
[2023年1月]
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