「農民」記事データベース20220307-1495-09

水田活用交付金の
引きはがしを許すな!
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コロナ禍 ― 今こそ食料自給率向上へ ―

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水田交付金見直しの主な内容

 1 交付対象水田を減らせ
   ――「畑」なら補助金はいらない

 畦があっても、水路があっても、「これから5年間、一度も米作付けが行われない農地は交付対象水田としない」。農家が米以外の作物が作りやすいよう排水工事など改善を重ねた田んぼに再び米を作らなければ、交付金(補助金)を引きはがすという、とんでもないやりかたです。

 「転換作物が固定化している水田の畑地化を促す」などというのは補助金減らしの口実にすぎません。

 2 飼料用米はこれ以上作るな

 2021年は史上最大の6・7万ヘクタールの減反が押し付けられ、農家は飼料用米などの作付けを大幅に増やしました。ところが22年から新規に複数年契約で飼料用米を生産する場合、助成の対象外に。契約中の場合も、これまでの半額の6千円(10アールあたり)に減額されました。20年策定の「食料・農業・農村基本計画」で掲げた30年度の生産努力目標70万トン(面積換算9・7万ヘクタール)を超えたから、飼料用米はこれ以上作るなというわけです。

 3 牧草の補助金1/3にカット

 畜産農家と連携して、また畜産農家が水田で牧草を作り、自給飼料を確保してきました。輸入乾草の高騰や入手難のなかで、国産の牧草づくりはますます大事になっています。

 ところが、突然、「多年性牧草は毎年種まきしないから」との理由で、収穫のみの年は10アールあたり3・5万円を1万円にカットしました。

 これでは必要な地代や機械代が払えなくなります。


行き着く先は
膨大な耕作放棄地の発生

 「見直し」で、水稲作付面積が増えれば、国が米の生産調整から手を引いた現在、米市場は大混乱に陥ります。さらに国産の麦や大豆の生産も減少します。

 交付対象から外れた田は、補助金のない農地となり、誰も引き受け手はなく、耕作放棄地が膨大に発生することにならざるをえません。

 土地評価額の下落は経営の存続に直結し、土地改良区や中山間地直接支払いの集落協定など地域で農地と治水機能を守る組織が崩壊しかねません。

(新聞「農民」2022.3.7付)
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2022年3月

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