国産米の需要を奪い米価の安定を防げるミニマム・アクセス米(MA米)は
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“このままでは米在庫が大幅に増え、21年産米価は1万800円台になる”。JA全中(全国農業協同組合中央会)は、今年6月末在庫を政府見通しよりも28万トン増の228万トン、来年6月末在庫は53万トン増の253万トン超になると試算。「米価下落は来年の秋まで影響が及ぶ!」と赤信号を灯しています(図1)。
一つは“コロナ無策”政権のもとで、外食需要が急減していること。さらに「仕事がない日は何も食べずに寝ている」という生活の窮迫による需要の消失を放置し、何一つ手をさしのべない冷血政治が追い打ちをかけています。
もう一つは、国民には全く不必要で「過剰」な外米(ミニマム・アクセス米=MA米)輸入に指一本触れようとしない“外米聖域”政治です。MA米の輸入量は77万トンで、在庫増見込み(28〜53万トン)を大幅に上回っています(図2)。
昨年の学校給食停止などによって余った牛乳は、国の助成を受けてバターと脱脂粉乳に加工され、備蓄されてきました。
バターの生産は昨年度比8%増となった一方、業務用需要の減退で消費量は9%減。このため在庫は今年3月末で3・9万トンと前年比35%増、ほぼ過去最高水準になっています。
バターについては、第3次補正予算で輸入バターを国産に置き換える乳業者を支援し、最大で7000トン程度の消化が見込まれており、予算額17億円で価格差を穴埋めします。そのうえで、乳製品の輸入枠を大幅に削減してコロナ対策に万全を期するというわけです。
これと正反対なのが米過剰対策です。
コロナ禍によって在庫が積み上がっている事情は米も乳製品も全く同じです。大きく違うのは、乳製品については消費減少相当分の輸入をバッサリ削っているのに対し、米については輸入米に一切手をつけないこと、そのうえ、農家に6・8万ヘクタール、36万トンの減反拡大を強要して、コロナ禍による需要減少の責任を全て農家に押しつけていることです。
[2021年5月]
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