「農民」記事データベース20201026-1430-13

種子を企業に明け渡す
種苗法改定案は廃案に
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農民から栽培技術奪う
許諾料払えるか不安

サツマイモ生産者 中島悟さん 茨城・阿見町

 茨城県阿見町で、サツマイモを4・5ヘクタール裁培する中島悟さんは「種苗法改定によって自家増殖が原則禁止されることに不安を感じる」と次のように語ります。

 現在登録品種の「べにはるか」をメーンにした生産に必要な苗は、10万本を超えます。

 苗の確保は、毎年1本40円前後のウイルスフリー苗を2000本購入し、苗を生産するための種芋を育て、翌春、苗床に選別した種芋を伏せこみ苗を育てます。

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サツマイモの伏せ込み作業

 1カ月ほどして30センチメートルくらいに伸びた苗を、太さや生育の勢いなどをそろえて切り取り、畑に植え付けます。

 10万本を超える苗を、自家増殖でなく、すべて購入するとなるとコストは、現在の3倍くらいになります。

 問題はコストだけでなく、植え付けの作業が業者任せになるうえに、品質の安定した苗が届くのかどうかも不安になります。また、みんなが業者から購入することになると、安定的に供給されるかどうかも心配です。

 作業面や品質・供給体制などの不安を考えると、許諾料を払って自家増殖を選択せざるをえないかとも考えますが、許諾料がどのくらいになるのかが不安です。

 サツマイモ生産の基本は、しっかりした苗を自分で育てることだと思います。農民が培ってきた生産技術を奪う「自家増殖の原則禁止」を盛り込んだ種苗法改定案は、廃案にすべきです。


廃案求める新署名にご協力を

 農民連本部は今、「種苗法『改定案』の廃案を求める請願署名」を全国に呼びかけています。

 臨時国会ではすぐに審議入りし、11月中旬までに採決という日程が予想されます。1次集約を10月末日まで、2次集約を11月15日までとします。農民連本部まで郵送でお送りください。ファクスやメールでは無効になってしまいます。

 国会請願署名ですので、フルネーム、自筆でお願いします。

 署名用紙は、農民連ホームページからもダウンロードできます。希望者には、郵送で送ります。

(新聞「農民」2020.10.26付)
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2020年10月

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