「農民」記事データベース20181022-1332-10

許すな!日本農業と主権を売り渡す
日米FTA交渉
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日米FTA 資料と解説

 「TAGは日米FTAではない」「TPP以上に譲歩することはないから安心してほしい」――安倍政権も自民党も見え透いたウソとゴマカシに躍起です。しかし、交渉の相手、トランプ大統領と閣僚は、首脳会談の後、安倍首相が自動車関税の引き上げ圧力に屈して日米FTA交渉を受け入れたことを、これ見よがしに自慢しています。

 TPPを上回る譲歩を迫るホンネもミエミエです。ライトハイザー通商代表は「TPPは米国が求める協定とは大きく違う」と言い、パーデュー農務長官は「米国の目標は原則、TPP以上」と述べて、TPPを「スタートライン」にする意図を公言しています。

 ロス商務長官にいたっては「日本が自動車の対米貿易黒字を是正する最善の手段は、米国に製造拠点を移すことだ」と言い出しています。アメリカの貿易赤字をなくすため、自動車工場をもっとアメリカに移し、対米輸出分を全部アメリカで生産しろ、日本で自動車生産が衰退してもかまわないという究極の「アメリカ第一主義」です。

 日米共同声明では「農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限である」と日本が表明し、アメリカが「尊重する」と約束したことになっています。しかし、この約束がまったくアテにならないことは、トランプ政権の言動から明らかです。

 同時に問題なのは「過去の経済連携協定」、つまりTPPと日欧EPAの水準まで自由化・関税引き下げされたのでは、日本の農林水産業はたまったものではないということ。TPPで重要5品目や野菜・果実などを明け渡したうえ、日欧EPAではチーズやパスタ、ハム・ソーセージ、ワイン、林産物をTPP以上に自由化することを約束しています。

 日本農業をつぶす最悪の自由化協定であるTPP11からの離脱、日欧EPAの臨時国会での批准阻止、そして急浮上してきた日米FTAを許さない運動を発展させるときです。

 安倍首相のウソとゴマカシを一言たりとも批判せず、甘言にだまされたのか(あるいはだまされたフリをしているのか)、TPP以上の譲歩がないことが「明確に確認された」と断定する談話を発表したJA全中会長。しかも、TPPや日欧EPAの水準までは譲るという「結論を得るため断固たる姿勢で交渉に臨んでいただきたい」と政府に要求しています。

 農業団体がTPPや日欧EPAの水準まで譲歩してもかまわないと宣言し、譲歩のために政府は「断固たる姿勢」で交渉に臨めと要求する! いつまで官邸の言いなりですか!

 「本来であれば、政府に反旗を翻(……し)、農協も、農業者と手を携えて、日米FTA反対運動に取り組むべき」(元JA宮城中央会会長・木村春雄さん)、「新たな日米通商交渉を進める政府の姿は、完全な裏切り行為……新たな日米交渉には反対」(JA十和田おいらせ代表理事専務・小林光浩さん、農業協同組合新聞)――これこそが、全国の農業・農協関係者の声です。

(新聞「農民」2018.10.22付)
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2018年10月

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