「農民」記事データベース20180409-1306-01

「主要農作物種子法」廃止

地方から安倍「官邸」農政に反乱

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 米、麦、大豆などの種子の安定的な供給を国や都道府県に義務づけてきた「主要農作物種子法」(種子法)が3月末で廃止されました。これに対し、「なぜ廃止するのかわからない」「地域に適した品種の維持は行政の管理が不可欠」として、全都道府県で従来通り種子事業を続ける方針です。自治体や農協、市民からも「種子を守れ」の声が広がっています。


全都道府県で種子の
生産・供給体制を維持

3県で条例制定

 種子法廃止法案は昨年、政府が「都道府県が開発した種子は、民間企業が開発した品種よりも安く提供することが可能だから、競争条件が同等とはなっていない」との理由で唐突に国会に提案し、わずかな審議時間で自民、公明、維新の会が成立を強行しました。

 これは規制改革推進会議による「種子法は、民間の品種開発意欲を阻害している」との攻撃、意向を受けたものです。

 種子法は、国や都道府県の種子生産に対する公的役割を明確にし、地域に合った優良品種銘柄を多く開発し、農家に安価に販売するなど大きな役割を果たしてきました。

 種子法を廃止することは、地域の共有財産である種子を、多国籍企業に売り渡すもの。食料自給率の向上を放棄し、食料の供給を不安定にすることにつながります。

条例制定や意見書求める
請願運動を強めよう

 一方で、各都道府県はこれまでの種子の関連事業をおおむね維持する方向ですが、新潟、兵庫、埼玉の3県は、種子の安定的な生産・供給体制を維持する条例を制定。北海道、宮城、岩手、群馬、長野、愛知、滋賀などで、現行の体制を維持しつつ、要領・要綱などを定めて対応しています。

 さらに3月7日現在、種子法廃止に伴って万全の対策を求める等の意見書が50以上の県・市町村議会から国会に提出されています。

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水稲の原種を守るための異株抜き(栃木県農業試験場)

 安倍政権退陣の声を大きく

 安倍政権が打ち出す農政改革は、農家の反発にもかかわらず、自治体は受け入れているのが実態ですが、種子法廃止は総スカン状態です。国内外の大企業に甘い汁を吸わせることだけをねらいに、現場に声を無視して強行された安倍「官邸」農政の破たんは明白です。種子法廃止に強い不安を抱いている消費者とも共同して、地方から日本の種子を守る運動を強めるとともに、安倍政権を退陣に追い込むことが求められています。
(2、3面に関連記事)

(新聞「農民」2018.4.9付)
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2018年4月

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