「農民」記事データベース20140811-1129-01

マクドナルドへ供給の中国工場

期限切れ食肉を不正混入

日本の外食・中食産業を震撼

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 マクドナルドをはじめ世界的なファストフードチェーンに食肉を供給しているアメリカの巨大食肉加工会社、OSI。そのOSI傘下の中国工場「上海福喜食品」で、品質期限の切れた鶏肉を納入するなど数々の不正行為が発覚し、大きな騒動に発展しています。

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期限の切れた肉が問題になったマクドナルド

 事件は、7月20日の夜、約3カ月にわたって同工場に潜入取材を続けてきた上海のテレビ局が暴露報道し、発覚しました。番組では、消費期限の過ぎた18トンの冷凍鶏皮と鶏胸肉を、期限内の肉に混ぜてマクドナルド向けのチキンナゲットに生産している様子や、床に落ちたハンバーグを素手で生産ラインに戻す様子が映像で流れたほか、期限を7カ月も過ぎた牛肉を使ったケースや、出荷時に製造日を改ざんしたケースも報道。潜入取材した記者に向かって従業員が「期限切れを食べても死にはしない」と話す場面もある衝撃的なものでした。

 上海市当局は即日、工場を閉鎖して調査に乗り出し、22日には9社に同工場の製品が出荷されていたことを発表しました。その9社は、店舗数で世界第1位のファストフードチェーン、ヤム・ブランズ(ケンタッキーフライドチキン、ピザハットなどを展開。本社はアメリカ)、世界第2位のマクドナルド、スターバックス、中国で吉野家を展開する合興集団、セブンイレブンの中国法人など巨大ファストフード企業ばかりです。

 同工場からは、日本にも7月21日までの1年間で約6千トンの食肉加工品が輸入され、コンビニのファミリーマートに約180トン、残り全量が日本マクドナルドに納品されました。

 この事件は日本の外食・中食産業を震撼(しんかん)させています。日本マクドナルドは「チキンマックナゲット」の原料肉の2割が同工場からの仕入れだったことを明かし、8種類の中国産鶏肉の商品の販売を一時中止し、すべてタイ産に切り替えると発表。ファミリーマートも当該商品の販売停止に加えて、返金に応じる事態に追い込まれました。またケンタッキーフライドチキンやスターバックスなどの日本法人をはじめ多くの企業が「現在は販売していない」「この工場からは仕入れていない」などの釈明に追われ、中国産食材への依存を如実に現すことになりました。

(新聞「農民」2014.8.11付)
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2014年8月

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